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Re: あの星を探しに。(ラノベ風) ( No.60 )
日時: 2012/09/23 17:11
名前: リア (ID: SsOklNqw)

「さぁ?それは、儷くん自信に聞いてみなよ。」


俺はその言葉に、またもや頬が紅潮していくのが分かった。

でも、なぜか嬉しくなかった。恋じゃないと思った。

「違う」という誰かの声が俺の頭の中に聞こえてきたような気がした。

一体何なんだ・・・俺は一体誰が好きなんだ・・・!!!


「どうしたの?儷くん。複雑そうな顔して。」

「え・・・?」


どうやら、俺が自問自答している間に険しい顔つきになっていたようだ。

別に京香には関係のないことだ。

京香を悩ます必要はない。


「あ、大丈夫だよ。ちょっと考え事してたんだ。」

「ふ〜ん?そっか。」


そう言って、彼女はまた俺より数歩先を歩いた。

あと数メートルで駅に着く。

あ、まだ言っていなかったが、俺たちが通う高校は大抵の生徒が電車通学なのだ。


「そういえば、儷くんはどっち方面なの?北?南?」

「俺は南だ。」

「そっか。私は北なんだ。」

「さすが、お嬢様。」

「お嬢様って言わないでよ。」


彼女は口調は冗談めかしているが顔は本気のようだった。

俺はそれを察して


「わかった。」


と言った。

すると、彼女の顔は幾分と明るくなったような気がした。

家出も「お嬢様」と言われ続け、嫌気が差してきていたのだろう。

そんなところに学校でも冗談であれ、「お嬢様」と言われればたまったものではないだろう。


「・・・それじゃあ、ここでお別れだね。」


彼女が少し寂しそうな表情でそう言う。

どうやら、俺が色々と推理している間に改札口を通り抜け、南と北のホームが分かれるところまで来たようだ。


「そうだな。」

「じゃあ、また明日。」

「また明日。」


俺たちは他に言うこともなく、ただただそう言って、互いに背を向け、ホームへと歩き出した。

彼女が遠ざかって行く足音も聞こえる。

俺よりはるかに遅いリズムで歩いている。

・・・つまり足取りが重いということだ。

ということは、きっと彼女は暗い顔をしていたのだろう。

見なくてもわかる。

彼女が最後に俺に言った言葉の「じゃあ、また明日。」は喜びの1つもない乾いた笑みだった。

おそらく家に帰った時のことでも想像して気分が落ちてしまったのだろう。

彼女はずっとそんな生活を続けてきたというのだろうか?

今だって、名ばかりの自由を手に入れただけではないのか?

ああは言っていたけれど、本当に公立に来て、自由を手にできたのだろうか?

家柄というとても強大な権力で彼女は永遠に縮こまりながら生きていかなければならないのだろうか?

そんなの、絶対に間違っている。

きっと彼女だって気付いているはずだ。

だったら、なぜ「嫌。」と言えないのだろうか・・・?

そうか、そうだ。そうだったのだ。

彼女が今まで家から逃げられなかった理由。

それは・・・


















京香に抗う勇気がなかったからだ。