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Re: あの星を探しに。(ラノベ風) ( No.61 )
日時: 2012/09/23 17:36
名前: リア (ID: SsOklNqw)

そう、京香が抱えている問題は彼女の心次第で簡単に解決することが出来る。

でも、彼女にはそれが出来ない。

きっと、いじめのことや今までの生き方からして”抗う”なんて言葉は出てこないのだろう。

でも、このまま誰も彼女に「抗え。」と言わなければ、一体どうなるのか。

分かりきっている。

彼女はきっと壊れてしまう。

ただでさえ、彼女の体には大きすぎる権力や不安が確実に彼女の心、体をむしばんで行っている。

そんな彼女の未来は絶望的だ。

誰かが変えなければ、彼女の未来を変えなければ、彼女の未来はないのだ。

今こそ、俺が彼女に言う時ではないのだろうか?

別に、誰からも慕われるようなヒーローに、俺はなりたいわけではない。

でも、期間限定ではあるものの、京香が”彼女”であることには変わりはない。

だから、俺は救わなければならない。

京香を・・・いや、俺の”彼女”を!!!


「携帯!!」


俺は無意識のうちにそう言いながら、スクールバックのサイドポケットを探った。

携帯は案外、すぐに見つかり、黒色の携帯を慌てて開いた。

俺も京香もホームに到着している。

そして、北方面の方には電車が到着し、彼女が乗り込んでいる姿がここから覗える。

つまり、手段は携帯で電話するか、メールするかしかなかったのだ。

俺は開いた画面からメール画面へと移った。

彼女のメーアドはなぜか知っていた。

恐らく入学式ら辺に交換したのだろう。

あの日はかなりの女子にメーアド交換を申し込まれて、誰に渡したかを覚えていなかったから、俺にとっては大して不思議な事ではない。


”家に着いたら、電話してくれ。話がある。”


俺は簡単にそう打つと、メールを送信した。

すると、意外なことに返信があった。


”初めてメールしてくれたね!
 何があったのかはよく分からないけど、分かった♪”


・・・くそっ!!

メールでも、京香は嘘の笑顔を作ってやがる!!

どうして、誰も・・・誰も本当の京香に気づいてやれなかったんだ!!

こんなにも・・・こんなにも無理してるじゃねーか。

俺は、そう思うと、悔しさと同時に苛立ちが芽生えた。

もう少しで、線路に自分のスクールバックを投げる・・・という時になって聞きなれた声が後ろから聞こえた。

俺は慌てて投げそうになっていた鞄を足元に落とし、振り返った。


「凛。」

「よ!!」


そこには凛が立っていた。

ニヤニヤしてるわけでもなく、かと言って真剣な顔をしているわけでもない、凛がいた。

あれ?凛久の後ろに見慣れた髪型の美少女が・・・。

わお!!美香じゃん!!


「美香もいるじゃん!!」

「わ、悪い!?あたしもたまたまこっち方向だったのよ!!」

「篠原、嘘はよくないぞ?お前、南方面じゃねーか。」

「ちょ、それは・・・!!!」


美香は相変わらず凛の前で赤面しながらもごもごと口籠っている。

そんな様子を見ていると、なんだか先ほどまでの気分が落ち着いてきた。

・・・あれ?さっきとは違う胸騒ぎが・・・。

そう思うと、なんか物凄い殺気を感じてきたのですが気のせいですか?

気のせいですよね?

誰か気の所為って言ってください!!



















「れーくん・・・私の存在を忘れるとはいい度胸をしてますね?」


しかし、俺のそんな思いもむなしく、殺気は気のせいではなかったのだ。