コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: あの星を探しに。(ラノベ風) ( No.69 )
- 日時: 2012/10/08 10:05
- 名前: リア (ID: SsOklNqw)
〜如月唯/斉藤奈々編〜
俺は京香との電話の後、爽快感でいっぱいだった。
今まで生きてきた中で、一番爽快感を覚えた気がした。
自分のことでもないくせに・・・まったくどっちが自己犠牲なんだか。
「はぁ〜、俺も相当なもんだ。」
俺が独り言のように呟くと、急に唯が俺の部屋に入ってきた。
「あ、お兄ちゃん?入るよ?」
「その言葉は入る前に言え。」
「ごめんごめん。忘れるのよ。あ、ねえねえ!!ちょっと相談に乗ってくれないかな?」
「相談?」
「そう、相談。」
唯はそう言いながら、真剣な目つきで、扉の前に立っていた。
俺は、ずっとそこに立たせておくのも悪い気がしたので、
「どっか座れば?」
と、とりえあず座ることを勧めた。
すると、唯は素直に俺の言うことに従い、ラグが敷いてある床の上にぺたりと座った。
俺はというと、京香との電話中にベットに座っていたので、そのままだ。
「で、相談って何なんだ?」
俺がそう尋ねると、少し唯は言いづらそうに下を向き、暫く沈黙してから、腹をくくったかのように不意に顔を上げて、俺に言った。
「あ、あのね!」
「おう。」
「じ、実は・・・今付き合ってる彼氏とのことなんだけど・・・」
「いや、ちょっと待って。まず唯に彼氏が居ることから知らなかったんだけど、俺。」
「あれ?お兄ちゃんに言ってなかったっけ?去年の10月くらいから付き合ってるの。」
「そ、そうか。」
「あいつは結構顔もいいし、何でも出来るし、モテるんだよ〜?」
「ほう、つまり自慢の彼氏というわけか。」
「そうなんだけど・・・」
「何か問題が?」
「その彼氏と、別れそうなの!」
「・・・どうしてだよ?」
「かなり些細なこと何だけど・・・前に唯が告白された時があったの。」
ちなみに、唯は家族の前だけ、1人称を”唯”としている。
だから、友達の前ではそんな言い方をしているわけではないので、ご安心を。
「ほう。」
「それで、当然の如く断ったんだけど、唯に断られたそいつが、変なデマ流して、”如月がOKした!”って言い出したの。」
「ほう、それは彼氏に知られたら、大変だな。」
「そう、その大変な事態に今なってしまったの。彼氏に知られちゃったのよ。真相を何度もその彼氏に確かめられたから、本当にフッタって言ったんだけどね、皆がデマのほうを信じちゃってるから彼氏も唯の言ってること、信じられないみたいなの。」
「なるほど。」
「それで、別れの危機なの!ねー、お兄ちゃん助けてー!」
「助けてー、と言われても俺は何をすればいいんだよ。」
「稜くんに”あれはデマだ”って言ってくれるだけでいいから!」
「でも、向こうからしたら、”なぜそこに兄が登場する?”って感じだろうし、俺から言っても唯に説得されて言わされてんだろうな、ってのがバレバレだろうよ。」
「・・・そっか。じゃあ、どうすればいいの〜?」
「そうだな・・・」
俺は久しぶりに考えた。
可愛い俺の妹、唯が別れの危機だと聞いて、黙って見ている兄はいるまい。
だって、兄の俺から見ても、唯は可愛いのだよ。
性格も言いし、成績もいいし、運動も昔から抜群だったし、モテること間違いなしの妹だ。
「あ、そうだ!俺、土曜日に部員と星空見に行かなくちゃいけないんだけど、それに行ったらどうだ?」