コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: あの星を探しに。(ラノベ風) ( No.75 )
- 日時: 2012/10/06 18:26
- 名前: リア (ID: SsOklNqw)
「あ、もひもひ?かんにゃ先輩・・・」
何だ、今の俺の噛みようは!!
酷過ぎる!!
これまで生きてきた中で、こんな噛み方をしたことはないぞ!!
「おー、儷くん。随分と噛んだようだな、あははは。」
「す、すみません。ちょっと緊張してしまったもので。」
「ほう、緊張か。まぁ、そんなに緊張して聞く話でもなくはないが、そこまで緊張しなくてよい。」
「それは分かってるんですが、”あの”斉藤先輩の過去となると・・・」
「ははは、奈々はそこまで恐れられておるのか?まぁ、武装しているからな。」
「もう、その武装がおっかなくて。」
「でも、あれはわけがあるのだよ。」
「ホームでもそのようなことを仰ってましたね。」
「あぁ。あれは何時だったかな・・・。小4の運動会終わりだから、秋頃か。」
「秋に何かあったんですか?」
「あぁ。奈々がいじめられ始めたのは小4の春からだった。私と奈々はその当時、既に知り合っていたが、クラスが違ったし、奈々がいじめられているというのを知ったのも、中学生の時だ。」
「つまり、後から聞いたと?」
「そういうことだな。初めていじめられていたと告白された時は、驚いたよ。いきなり”私がこんな性格になってしまったのには訳があったのですよ。”って言われてね?あれは驚いた。」
「ほう。」
「あー、こんな話をしてる場合じゃなかったな。えーっとだな、あ、そうだ!それでだな、小4の秋も同じようにいじめられてたらしい。主に無視とかそんな類のいじめだったらしい。奈々もそれなりにこたえていた。それで、現状打破策を毎日考えていたらしい。そこで、急に思いついたものがあったそうだ。武力で制圧し、言葉で攻める・・・という今のスタイルを。」
「な、もうそんな恐ろしいスタイルを小4の頃に思い付いていたのですか!!」
何をやってくれているんだ!!斉藤先輩をいじめたいじめっ子達!!
俺が今、こんなにも被害にあってるではないか!!
あんなモンスターを生み出したお前ら、許すまい・・・。
「まあ、そういうことになるな。ハサミじゃなんだか迫力に欠けると思ったのか、カッターを主にしたようだ。それで、まぁ、そのスタイルにした翌朝からは、誰も奈々をいじめる者はいなくなったそうだ。」
「そりゃそうでしょう。カッターで脅されたり、敬語で微笑まれたりしたら人間に植えつけられるのは恐怖しかないでしょ。」
本当に、ハサミとかでとどまってほしかったよ。
何で、カッターを手に取っちゃったんだろうね。
本当に運命を憎むよ。
「儷くんの意見が最もだな。まぁ、そういうわけで、現在まで奈々は生きているわけだが・・・やはり、まだカッターを捨てられないということは怖いのだよ、奈々は。」
「怖い?何がですか?」
何が怖いんだ?
あの斉藤先輩に怖いものなど、何一つと言っていいほどないだろう。
「武装を解けば、またいじめられるんじゃないか。今まで仲間だと思っていた星研部の皆に裏切られてしまうのではないか・・・とかそんな感じのことだろう。奈々が恐れているのは。」
なるほど。そうだったのか。
斉藤先輩が今までカッターを家に置いてこれなかったのは、自分に自信がなかったから。
自分一人で生きていけるかどうか、不安だったから。
だから、カッターを常時持っていないと、怖いのだ。
「・・・なるほど。”あの”斉藤先輩からじゃ全然想像がつかない言葉ですけど・・・でも、斉藤先輩がそう言っていてもおかしくはない気がします。案外、鎧を纏ってる人ほど、中身が弱かったりしますからね。」
「おー、儷くん、君は分かってくれるか!!」
「はい!!・・・でも、そんな斉藤先輩を救うにはどうしたらいいのでしょうか?」
「・・・そうだな。過去の奈々の恐怖を取り払うしかない。しかし、そのためには奈々にあの恐怖を思い出してもらうしかない。」
「いや、その必要はないと思います。」
「何かいい案が思いついたのか?」
「えーと、まぁ、成功するかどうかは分からないんですけど・・・一応。」
きっと、皆が斉藤先輩に自分の本音をぶちまけ合えれば、斉藤先輩にだって怖いものはなくなるはずだ。
そうすれば、カッターを持つ必要もなくなる。
ということは、俺が死にそうになる危険も回避できるということだ!!
「ほう、その案を言ってみろ。」
神谷先輩にそう言われると、何だかちょっと怖気づくが・・・負けないぞ!!
「では・・・
星空研究部で本音大会を行うってのはどうでしょうか?」