コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: あの星を探しに。(ラノベ風) ( No.79 )
- 日時: 2012/10/07 10:51
- 名前: リア (ID: SsOklNqw)
「では・・・星空研究部で本音大会を行うってのはどうでしょうか?」
「率直に言う。それはやめておけ。」
「どうしてですか!?言えって言ったのは神谷先輩じゃないですか!」
「いや、まぁ、それはそうなんだが・・・君、奈々に殺されたいのか?」
「・・・まだ死にたくはないですけど・・・。」
「そうだろ?」
高校生の会話ってこんなにシリアスなものだったっけ?
殺すとか殺されるとか、もう超次元に行っちゃってるんじゃないの!?
「というか、奈々の前で本音を言うやつが居ないと思うんだが・・・。」
「まぁ、それもそうですね。星研部は何気に勇気のない奴らばっかですから。」
「そうなのだ。そこが問題なのだよ。奈々に立ち向かっていく勇気のある奴が一人でもいれば、他の奴らも立ち上がってくんだろうけど・・・そんな奴、星研部に居たか?」
「・・・ちょっと待ってください。探します。」
居たか?
勇気のある行動をとった”勇者”は。
そんな奴星研部には・・・って、居るじゃん!!
さーせんに自意識過剰だなとか言ってた勇者が居るではないか!!
そう、その名も・・・
「安藤先輩。」
「安藤が勇者だと!?」
いやいや、先輩。
その驚きよう、ちょっと安藤先輩が可哀想じゃないすか。
もうちょっと期待しといてあげてくださいよ。
「はい。安藤先輩、前にさーせんに”自意識過剰だな、先生”的な事を言っていたので。」
「なるほど。まさか、安藤の名前が出てくるとは夢にも思わなかった。」
「先輩も何気に酷いことを仰る。」
「ん?何か言ったか?」
「いえ、何も言っておりません。」
「そうか。それじゃあ、今日は木曜日だから明日、毎週土曜日開催星空観察会のことについて決めるだろ?その時に、皆に本音大会を設けることを宣言しよう。そして、安藤には私から電話して、もし誰も口を開かなかったら先陣を切ってもらうように頼んでおくよ。」
「はい、それが一番いい方法だと思います。安藤先輩を動かすにはそれが。」
「ん?どういうことだ、それは?」
「いえ、なんでもないです。」
危ない、危ない。
ついつい口を滑らせてしまうんだよな。
まぁ、神谷先輩から直接電話があれば、安藤先輩は何だってするだろう。
あんだけ、ベタ惚れな人も珍しいよな。
わざわざ寝てるのに、来た瞬間に起きるなんてね。
安藤先輩は寝ることを生き涯にしてる、と言っても過言ではない人なのにね。
まぁ、でも、好きな人がいるってのは幸せな事ではないか。
俺は安藤先輩を応援するぞ。
「さっきから沈黙しているが大丈夫か?」
「あ、はい!!大丈夫です!!それでは、計画が上手くいくことを願いましょう。」
「あぁ。それでは、また明日。」
「はい。」
こうして、神谷先輩と俺の電話は終了した。
斉藤先輩の過去もわかったし、今は本音大会を成功させるのを頑張るだけだな。
俺はただそう思っていた。
本音大会が成功するのを頑張ればいいと。
しかし、斉藤先輩の傷は俺の思った以上に深かった。
あの本音大会が、あんなことになるなんて、誰も予想していなかっただろう。
俺だってそうだった。
本音をぶつけ合えば、斉藤先輩だって武装を解除すると。
しかし、本音をぶつけ合うのは思った以上に難しいことだったのだ。