コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: (リメイクver,第一話更新)カラの実 ( No.17 )
- 日時: 2012/08/30 20:25
- 名前: ミルクチョコレート ◆/QnEJQqynw (ID: lvVUcFlt)
- 参照: ふわふわふわわってw自分で作っておいて笑いが止まんないww
【第一章】
第2話
「リリー」
「ぉぉぉぉおおおおお!!!!死ぬぅぅぅぅぅぅ!!!!!」
落下している高さは真っ暗で分からないため、冷や汗は滝の様に流れ、叫びながら何かを掴もうと精一杯手を伸ばしたが何も掴めず失神しそうになっていた。
「ふわふわふわわ!」
その声が聞こえた瞬間、大きな雲が落下している諸刃を受け止めた。
「……助かった。でも何かこの雲硬ぇ……。」
最古は硬い雲で打った腰をさすりながら周りを見渡した。見渡してみると、地面には芝生が広がって木がまだらに生えており、全く暗闇ではなかった。おそらくパニックになりすぎ何も見えなかったのであろう。だが何か不自然だった。何故ならここには鳥の鳴き声もしなければ風も吹いていなかった。
「そういえば、さっきの声って……?」
「始めまして♪私は妖精のリリー。」
最古は声が聞こえた辺りを見渡したがやはり誰もいなかった。
「気のせいか。」
「いや、気付いて!?」
最古は地面に生えている芝生に寝ようとすると、またどこからか声が聞こえた。
「やっぱ気のせいじゃなかった!」
最古は驚きながら起き上ったがやはり何処にもいなかった。
「やっぱいないな……。」
「あ、普通の人には見えないんだった!」
見えない何かはそう言うと“ぽんっ”という音と共に急に最古の前に現れた。最古の前に現れたのはカラスアゲハの様な羽にキツネのような耳や尾、目は垂れ目で身長は二歳児程の妖精だった。
「なっ、なんじゃくりゃあああああああ!!!」
「くりゃ!?」
最古は驚きのあまり松田優作の様に叫んだ。
ストレスのたまりすぎか……?幻覚……?普通妖精なんかいるはずない……?
「どう??びっくりした???」
最古は口を『ポカーン』と開けたままでリリーの話など全く聞いてなかった。
「あ、びっくりしてるー!!」
リリーは話を聞いていなことにも気付かず、ずっと笑っていた。最古はその笑い声で我に返ってリリーに質問した。
「お前に1つ聞きたいことがある」
最古は人差し指を立てた。
「何?」
「お前は本当に妖精か?」
諸刃は疑い深くリリーに聞いた。
「当たり前だよ!」
「本当かよ…じゃあ証拠は?」
諸刃はそう簡単には、信じなかった。
「証拠…そうだね…」
リリーはあごに手を当て考えた。その姿はまるであの有名な『考える人』の様で、さらに信じることが出来なかった。
「あっ!!」
「おっ、証拠を思いついたか?」
最古は馬鹿にした様な顔をして聞いた。するとリリーは最古を睨みつけた。殺気を感じた最古は両手を上に上げるとリリーは満足そうな顔をして話した。
「さっき君が助かったのはリリーの魔法のおかげなんだよ!」
第一人称が自分の名前のリリーは自信満々に言った。
「第一人称がリリーなのは置いといて、魔法ってあの『ふわふわふわわ』ってやつか?」
「え?そうだけど?」
リリーは不思議そうに答えた。
「魔法でふわふわふわわって……。ネーミングセンスが……ぷっ!」
最古はネーミングセンスの悪さに思わず吹き出し、ついには腹を抱え込み転がり込んだ。
「わ、笑うなーー!」
リリーは顔が赤くなりながら怒った。
「ご…ごめん…でも、『ふわふわふわわ』って……。」
最古はまたクスクスと笑いだした。最初は警戒していた二人は緊張感がとけ、仲良くなっていた。
第3話に続く