コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: モノクロストリート−『平凡』が変わった日− ( No.13 )
- 日時: 2012/10/14 18:32
- 名前: にゅるあ ◆6YRzs3gfaA (ID: vBQZrbVQ)
一瞬だけだが、つぐみにしては珍しく目を見開く。
「裕翔?」
「っ、痛……」
次にいつものように微笑を浮かべると、少し呆れたような顔で
「裕翔……さー、そこで女の子かばうのはかっこいーけど、私今のよけられたからね?」
「かばってくれたやつに対してそれはどうなんだよ」
「あっはは!裕翔かっこつかないねー」
「そこにいるの、千景か?」
「ほう。久しぶりだな。裕翔と言ったか」
「千景ちゃん、セピアロードのためだよね?」
「それって、千景が所属してるっていう……」
「私たちと同じで能力を持った人が集まってるらしいけど、その作戦とかのときに私たちが邪魔なんでしょ?」
「読んだか? まあ、そこまでわかっているなら話は早いな」
再び黒い影が動き出したように見えたので、裕翔が動こうとする。が、
千景は影をぴたりと止まらせ、携帯を取り出す。その場で確認をしだした。
「命令、か。また今度くるとしよう」
「てめ、待っ」
ひゅっ という風をきる音が聞こえて、裕翔は追いかけようとしていた足をとめる。
首元に影があり、あと少し近づけば皮膚が切れてしまいそうだ。
「勘違いするな。お前らくらいいつでも始末できる。だから今は見逃してやると言っている」
それだけ言うと千景は影を足場にする形で宙に浮き、そのまま去っていった。
「行っちゃったね。じゃ、あたしらも家帰る?」
「……そうだな。」
「あ、てか裕翔さ、ここまでついてきたの?」
「家もどる途中、たまたま偶然みつけてな」
「いや、裕翔の家は反対方こ「たまたま偶然みつけてな」
見え見えな嘘につぐみはまた笑い出す。ひとしきり笑うと、
「あー、まあ、かばってくれた時はありがと」
「え」
「いや、普通に嬉しかったし。でも、避けられはするし、あんま危ないことしないでよ?ほんとー」
「私、こっちいくから。じゃあね?」
「おう……またな」