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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: モノクロストリート【コメント募集!】 ( No.26 )
- 日時: 2012/10/14 18:50
- 名前: にゅるあ ◆6YRzs3gfaA (ID: vBQZrbVQ)
「つぐみちゃんは、裕翔君が好きなの?」
あれから裕翔君が帰り、つぐみさんが仕事に取り掛かった。特にすることもなく私もそろそろ帰ろうかと思っていたところ、嬉しそうな表情で莉唯ちゃんが言ったのが、冒頭の言葉だった。
「ちょ、莉唯ちゃん……」
「……ほ?」
莉唯ちゃんが放った言葉が意外だったようで、きょとんとした表情。
「いや、別に好きだけど?」
その『好き』の意味が『like』だということは、私にもわかる。
「恋愛対象で、だよ」
莉唯ちゃんが楽しそうに目を輝かせる。
悪趣味だなあ、とは思いつつも、自分だって気になる。
「あー、考えたことないなー」
考えたこともない、というと恋愛対象にしたことはないという意味にもなる。
「裕翔君って良いところたくさんあるよね! 例えば……うん! たくさんあるよね!」
「今、良いところ探すの挫折したよね」
「莉唯ちゃん……」
「莉唯ちゃんが裕翔のこと好きなの?」
「へ?」
うん、話の流れからしてそうも見えるかもしれない。見えるかもしれないけど。
「えー、なんでそうなるのかなぁ?」
「あ、違った? まあ読んだわけじゃないから。そういうのは読まないようにしてるんだよね」
読まないように?特定のものを読まないようにすることもできるのだろうか。
「それはできないけど、ONとOFFならできるから。大体いつもOFFだよ」
「え、OFFでも読むことが?」
「読めるっていうか、勝手に入ってくる感じ。読みやすい、読みにくいもあるしね」
「……へえ」
「じゃあ、私は仕事やってくるから」
「つぐみちゃんって、鋭いようで鈍いねぇ。どうなるかなぁ」
「莉唯ちゃん、楽しんでるでしょ」
「割と」
とりあえず、裕翔君を応援しようと思った。
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