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Re: モノクロストリート【コメント募集!】 ( No.32 )
日時: 2012/10/14 18:58
名前: にゅるあ ◆6YRzs3gfaA (ID: vBQZrbVQ)

「は、ぁ……」
なんとか全員片付けたことに安心する。
それと同時に、気が抜けたせいか疲れがどっと来て、その場で少ししゃがむ。

「お疲れ様ー。そっち全員終わった?」
「ああ、一応な。途中で逃げたやつもいるかもしれねえけど」
いつもの軽い口調で、ところどころかすり傷などはあるものの、疲れている素振りを見せないのが腹立たしい。

「さすが最強コンビって感じか」
「それ、高校のときに呼ばれてたやつか。最凶の間違いだろ」
「ははっ、そうだね」


「ここから、どうする気だ?」
「莉唯ちゃんとゆー君がもうすぐ来るから、とりあえず待つ」

「関係、ないんじゃないか」
「メール送ったら、すぐ来るって返ってきて。久しぶりに莉唯ちゃん裏かもね」

うわぁ、と声に出して言う。めんどくさいことになりそうだと、裕翔はまたため息を吐いた。

「っ!」
そして、ぱっとすぐに顔をあげる。後ろに感じた気配。そして殺気。
自分の名前を呼ぶ声とつぐみが動くのが見えたが、僅かにそれは遅く。

何かが振り下ろされ、風をきる音が聞こえた。

ガンッ

大きく聞こえたその音。だが、痛みは感じない。
目の前にある棒。しかし、その前にガラスのようなもの。ここまで見て、何が起こったのか理解する。

「莉唯?」

莉唯がシールドを作り出し、カウンターで返したのだろう。

次の瞬間、男は頭を抑えその場に倒れこむ。
まるで先ほどの攻撃が、そのまま自分に返ってきたかのように。

「裏莉唯さん降臨、か」

そのまま飛び蹴りが男に降ってくる。

「ひっ!」
「顔面凶器な顔、あげろよ。これからもっと酷くなるんだからなあ」

誰だこいつ、と言いたくなるような言葉。
目を瞑りたくなるような攻撃がはじまり、男の悲鳴と、酷い音が聞こえてきた。

「ガン見してられるゆー君を尊敬するんだけど」
「……なんで? 莉唯ちゃんかっこいいよ?」

「ああ、うん。裕翔、最強コンビの座は二人に譲ろうか」
「そうだな」

後ろの悲惨すぎる光景から目を背けつつ、またため息を吐いた。
男のこれからの運命を哀れんで。