コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: モノクロストリート【コメント・アドバイス募集】 ( No.44 )
日時: 2012/10/12 17:32
名前: にゅるあ ◆6YRzs3gfaA (ID: GVtNG5zB)

「これは俺たちのことであって、舞香は関係ないだろ!」
「お前達に来てもらう為の餌にしただけだが?」
「っ……お前!」

今にも殴りかかりそうな裕翔。だが、それより先に動いたのは莉唯だった。
シールドを作りながら、蹴りを入れる。
影がこちらに向かってくるのを見て、更に力を強めた。そして、それに当たる寸前。

「……無効化」
カチッとスイッチを押したような音が莉唯の脳内に響いた。
そして、目の前にあったはずのシールドが消える。

「な、っ!?」
咄嗟に引けば少しかすっただけで済み、距離をとる。

「変に手を出さない方がいいと思うよ。私の能力は無効化。それと……有効化なんだ」
表の莉唯とはまた違う、柔らかく優しげな声。

「有効……?」
「そう。無効化した能力で攻撃する。そこの、莉唯ちゃんだっけ? その子の能力と似てるかも」
見とれるほど綺麗な笑顔を浮かべる。そして、手からつくりだされるシールド。

「でも私のは、」
「つ…ぅっ!」

「攻撃性を持つように、私の中で変えてから攻撃できるってとこかなぁ」
シールドというよりは、刃。
莉唯の腕にあたったそれ。服には血が滲み出す。


「やめて」
悠里が、目を見開きながら言った。小さく、それでもはっきりとした声。
普段のゆっくりとした動きでなく、俊敏で動物的な動き。能力は使っていないようだった。

そのまま千景のところに向かおうとした。だが、その間に入ってくる人影。
「千景さん、すいません。やっぱり我慢できませんっしたわ」
場に合わないような、軽い口調。

「お前のことだからな。そうなると思っていた」
呆れたような口調に、柊は苦笑した。そしてやはり楽しげに攻撃をはじめる。
その速さは今の悠里以上で、能力を使わない状態では追いつけそうになかった。

「……おい、つぐみ?」
 先ほどから一言も喋らないつぐみを不思議に思って、裕翔が言う。
するとつぐみは、パッと顔を上げた。



「ON」



その場にいる全員の動きが、一瞬ピタリと止まった。