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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: モノクロストリート【コメント・アドバイス募集】 ( No.73 )
- 日時: 2012/11/27 22:44
- 名前: にゅるあ ◆6YRzs3gfaA (ID: hmaUISmg)
「無効化が……解けた?」
能力の発動しない腕を見て、蓮華が動揺する。
「私の能力で無効化を操作したから、かな」
「っ、なんで……」
「有効化発動後、君には隙ができてる。それを読んだんだよ」
その様子を見ていた柊は後ろに一瞬の気配を感じて、またにやりとした。
「洞察力の良さは変わってないな。いつまでもつか、だが」
そこで千景は、背後からの気配。そして殺気に気付く。
足元もなく近づき、瞬間的に現れたそれ。
「動かないで、ください」
少し震えながらも、強い口調。
トン、と。背中に当てられた刃物の感覚。
「舞香、ちゃん……」
「動けば、このナイフを瞬間移動させます」
千景はこの状況で何かを考える素振りを見せ、そして、動くなと言われたのにも関わらず、そのまま舞香に向き直る。
「な、えっ!?」
千景の意外な行動に舞香が動けないでいれば、影が動き出す。
戦いに慣れていない舞香は、その影を素早く避けることができず、その場で固まる。
瞬間、影が不自然に止まる。
それは、舞香が見ても明らかにわかるほどの。
(手加減……?)
そこまで考えて、舞香は慌てて瞬間移動をする。
すると、舞香がいた場所に影が落ち、千景が舌打ちをする。
「おい柊、このナイフ」
瞬間移動をした際に落としてしまったらしく、先ほどまで舞香が持っていたナイフは千景の手にあった。
「はい。俺のっすね。そしてわざとです」
「何故お前はそうやって事をややこしくする。あとそこはドヤ顔するところではない」
「俺は面白くするためなら、いつだって手段は選ばないっすよ?」
悪びれる様子もなく、笑いながら言う柊に毒気を抜かれたように千景はため息をつく。
舞香には、千景の考えていることがわからなかった。
彼らの目的はモノクロストリートを潰すことだと思っていたが。
手加減をするということは、違うのだろうか。
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