第五話■幼馴染■「……い、舞!」私の名前を呼ばれて我に返る。「どうしたんだよ」亮太が机に肘を立てているわたしの顔を覗き込む。「なんでもない……」わたしはパッと顔を背ける。……彼のこと考えてた。「あ、そうそう」亮太が何かを思い出したように言った。「智、高熱らしいぜ? お見舞い行ったら喜ぶと思う」亮太の顔は優しかった。亮太と智は昔から仲がいい、幼馴染らしい。智は、いい幼馴染をもったね……