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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ■□スクエア□■ ( No.36 )
- 日時: 2012/09/26 17:11
- 名前: うえってぃ (ID: HpE/sQXo)
第九話■消えた笑顔■
学校からの帰り。
わたしは、智と亮太と帰っていた。
「舞ー…腹減った」
「知るかっ」
亮太の文句を、わたしは笑って流す。
「お前の脂肪食うぞ」
「失礼な!!!」
わたしと亮太は笑っていたけど、智は笑っていなかった。
むしろ、わたしを睨んでいるかのようだった。
■ ■ ■
殺風景な屋上。
校庭を一面に眺められるこの場所は、わたしの好きな場所のひとつだ。
いつも吹く心地よい風は、少し冷たくて。
もう秋なんだなあって実感させてくれる。
ここには、わたしと智しかいない。
「どうしたの?」
「急に呼び出してごめん」
智はいつものようにクールに言う。
……亮太の事だろう。
「応援してくれるって言ったよね」
唐突な質問に、わたしは少し不快感を抱く。
「亮太の事。」
「応援してるよ?」
「なら、どうして亮太と仲良くするの?!」
「どうしてって…友達だから……」
「わたしと舞だって、友達なんだよ?!友達の事を思いやるのが友達じゃん!」
「そうだけど……」
「それとも、わたしのこと嫌いなの?」
「そういうワケじゃないよ!大好きだよ!!!」
「じゃあ、どうして、協力してくれないのよ?!」
智の綺麗な茶色の瞳には、涙が溜まっていた。
「ごめん……」
ただ、謝るしかなかった。
のどの奥が詰まって苦しかった。
こんなつもりじゃなかったのに。
馬鹿だ、わたし。
智も自分自身も、傷付けてる。
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