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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ■□スクエア□■ ( No.39 )
- 日時: 2012/09/27 16:06
- 名前: うえってぃ (ID: HpE/sQXo)
第十話■対照的■
沈みゆく真っ赤な夕日。
悲しいくらいに綺麗だ。
帰り道。
いつもなら、隣には亮太と智がいるはずなんだけど。
今はわたし、ひとりだけ。
隣には誰もいない。
ただ、小さな川があるだけだ。
わたしは、引き寄せられるように、川岸へ向かった。
サラサラと流れる川の音が心地よかった。
水面に反射する、夕日とわたし。
対照的なのは、美しさだ。
水面に映る、真っ赤な夕日はこんなにも綺麗なのに……
わたしは、全然綺麗なんかじゃない。
笑ったらいいのかな?
そう思い、頑張って笑おうとするけど笑えない。
両手で口角を上にあげてみるけど、目が笑っていない。
不自然で。
醜くて。
こんな自分、大嫌いだ。
自分の姿が見たくなくて。
哀れさを抱いて。
わたしは、水面に反射した自分の顔に石を投げつけた。
何度も、何度も。
気付けば、涙がこぼれていた。
ポロポロと、冷たい涙が。
ふいに、彼に会いたくなった。
彼の温かくて明るいお日様のような笑顔が見たくなった。
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