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Re: ■□スクエア□■ ( No.69 )
日時: 2012/10/10 22:07
名前: うえってぃ ◆ni3sdPO.xQ (ID: HpE/sQXo)

第十五話■失恋■

翔くんは、黙ったまま保健室を出て行った。

……どうして?

好きじゃないなら、思わせぶりな態度とらないでよ。
行動で示してよ。

わたし、バカだから気付かないもん。

翔くんはなにも分かってない。

「冷たすぎるよお……」

誰もいない保健室で。
わたしは、声を押し殺して泣いた。



■ ■ ■



一人は案外平気だった。

一人の休み時間。
一人の昼食。
一人の登下校。

一人でもやっていける。

ずっと弱い自分に言い聞かせてた。

……でも。

やっぱり苦しいよ……
寂しいし、切ない。

わたし、とうとう一人ぼっちになっちゃったんだ。
『一人ぼっち』という孤独感にさいなまれる。

こらえきれない想いが、涙となってこぼれ落ちていく。

「……ふっ…………」

泣き声が漏れる。



「なに泣いてんだよ」

後ろから声がした。
聞き慣れた、優しい声。

……亮太だ。

でも、振り返っちゃダメだ。

自分に言い聞かせた。

ここで振り返ったらいつもと同じだから。
甘えてばかりの弱い自分に戻ってしまうだけだから。

強くなりたい……

わたしは涙を裾で拭って、その場を去ろうとした。

「待てよ」

「…………」

亮太の言葉を聞いて、時間が止まったかと思った。


















「俺、お前が好きだ」