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Re: ■□スクエア□■ ( No.74 )
日時: 2012/10/10 22:54
名前: うえってぃ ◆ni3sdPO.xQ (ID: HpE/sQXo)

第十六話■強い想い■

「えっ…………」

思わず振り返ってしまう。

亮太の顔は真剣そのものだった。

「嘘、言わないでよ……」

「嘘じゃねえよ」

亮太の全てがわたしをみつめる。
なんだか、わたしの心の奥まで見透かされてしまいそうで、怖かった。

亮太が少しずつ、わたしに近付いてくる。

「アイツじゃなくて、俺を見ろよ」

……アイツ。

わたしにはアイツが誰なのか、すぐに分かった。

「……知ってたんだね……」

「……あぁ。お前がいつもアイツを想っていたことも、俺を友達としか見てないことも」

亮太の悲しそうな顔を見ていたら、目が熱くなった。
泣きそうになってしまう。

「もう、傷付いてるお前なんてみたくねぇんだよ……」

「…………」

「自分の気持ち、抑えきれねぇよ……」

亮太が、弱々しく呟いた言葉は、しっかり聞こえた。

……ごめんね。

亮太がわたしを強く抱きしめる。

「亮太……」

「好きだ……」

「でもっ……」

「お前が好きだ…………」

亮太は震えていた。
そんな亮太をほっとけなくて。

大好きだからこそ。
ほっとけなくって。

わたしも、亮太を優しく包むかのように強く、強く抱きしめた。

そうしないと、亮太が消えてしまいそうで。
いなくなってしまいそうで。

ただただこわかった。