PR
コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ゆめの住人。 ( No.14 )
- 日時: 2012/09/15 12:08
- 名前: 生卵。 ◆l5afVy7QjU (ID: B6N9vk9k)
- 参照: エピソード5.
( 理解できない )
「ほら、着いたよ」
そういって清さんは掴んでいた私の手を離した。
今まで引っ張られたからか、私は前のめりに盛大に転んでしまい清さんに笑われた。
(ここ、どこ?)
目の前には普通の集合住宅より二回りほど大きい、アパートだった。
所々塗装がはげ落ちており、たぶん結構年季の入ったものなんだろう。
その建物には白い長方形の板に黒いペンキで夢見壮、と書かれていた。
「清、夕飯取ってきてくれた?」
横から清さんとは別の声が聞こえて反射的にそちらを向くともう一人別の女の子が居た。
頭に大きなリボンが二つ付いている、私よりも見た目からして年下だった。
「クリス、丁度良い所に来てくれたね。新しい子がいるからニコを呼んできておくれよ」
「え?新しい子ってどこに居るの?」
クリスと呼ばれたその子は辺りを数回きょろきょろと見回してから清さんの後でコソコソと隠れていた私を見つけて少し驚いた顔をした
「ちょっと、足から血が出てるよ!」
さっき転んだ時にできた傷だろう、足からは結構な血の量が流れていた。
クリスと言う子は焦ったようにポケットからキラキラと光る砂の入った小瓶を取り出して、その砂を私の足に振りかけた。
するとその瞬間傷がすべてなおり、流れていた血もどこかに消えていた。
(え、えええ?どういうこと?マジック??)
これ以上何かあったら私の頭はキャパオーバーを起こすんじゃないかと言うくらいに混乱していた。
少し唸っていたのだろうか、クリスと言う子は私の背中を優しくなでて大丈夫だから、と言って夢見壮の中に入れてくれた
PR