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Re: ゆめの住人。 ( No.3 )
日時: 2012/09/14 02:32
名前: 生卵。 ◆l5afVy7QjU (ID: SG2pzqrf)
参照: エピソード1.


( 濁った瞳 )


寒い、マフラーに顔の半分を埋めて体をきゅっと強張らせて外に出る。
当たる日差しが暖かい。

(息…白いなあ)

息をつくとふわりとその空気の一部が白くなったように感じる、
少し瞼が重くてふあ、と小さな欠伸をするとぶわりとその空間が白くなる
そのまま学校へと続く坂道をとぼとぼと歩いてゆきながら、嗚呼もうそろそろこの坂道を渡らないところに行くんだな、なんて今更なことを考える

「来月から引っ越すの、でも学校は変わらないから安心してね」
軽々しく言われた言葉にその理由を見いだせなかった、
別にそこに執着したりする必要なんてないけれど、こちらにとっては学校が少しだけ遠くなって30分も早く起きないといけないのだから不満はある
ただ、そこに反発したってもう決めたことなんだから自分じゃどうにもできないこと位わかってる。


「おはよー」「おはよう」
大抵の生徒は自分と近い時間帯に学校へ来る、でもどの挨拶も自分に向けられないけれど、それでいい。
自分は他人と合わせるのも合わすのも苦手だからきっとほかの人も自分が苦手なんだ。
昔から、体育などでもペアを作る授業の時はプレッシャーのようなもので胃が潰れそうになる、
他人に不快な思いをさせそうで、怪我をさせそうで、怖くて他人と一緒に居れなくなった



そうしていたら、いつか私の世界に色はなくなっていった。