コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 右側の特等席。 ( No.14 )
- 日時: 2012/09/17 10:10
- 名前: ゆえ ◆Stella/Y/Y (ID: cPRWXRxr)
- 参照: 少しグロめです。すいませんm(_ _)m
【 第二話 】
目の前に広がるのは、紅、紅、紅。目が痛いほどの紅、血の海。そしてその中心に倒れるは、買い物袋を下げた女性。いつもご飯を作ってくれたり、服を買ってくれたりしてくれた人。———そう、わたしの、母親。広瀬 真愛( ひろせ まい )。
母は、死んだ。交通事故のせいで。・・・・・・ううん、違う。
わたしの、せいで。
-
「・・・ろせさん?広瀬さん!」
「っ、は、はい!」
びっくりした。我に返ると、目の前には笹川先生の心配そうな顔があった。その横を見ると、今野くんとやらが、わたしの事をまだ不思議そうに見ている。
「ボーッとしてたけど、大丈夫?まだ具合悪い?」
「い、いえ、大丈夫、です。すいません・・・」
慌てて体の前で手を振り否定する。少なくとも、さっきよりは体が軽い。目眩は少しするけども、授業は受けられるかもしれない程度。時計を見ると、十時半近い。二時間目ぐらいだろうか。
「教室、戻ります。ありがとうございました・・・」
「あら、そう?ひどくなったらまた戻ってきてね」
「はい。では・・・・・・」
今野くんとやらの横をすっと通り過ぎて、扉へと向かう。その時もまだ、わたしの事を不思議そうに見つめる。・・・・・・少し、恥ずかしい。
「・・・失礼しまし」
「おい」
失礼しました、と言って保健室を出るはずが、彼の——今野くんとやらの言葉に塞がれる。そっと振り向いて、「・・・はい?」と返す。
「お前、名前は?」
「へ?」
ぴっと指をさされ、尋ねられる。名前、って、わたしの?
「おい、お前だよ。名前ないのか?」
「え、あ、えと、広瀬真優、です・・・」
「・・・ふーん・・・」
答えると、興味がなさそうに目を逸らされた。・・・聞いてきたのは、そっち、なのに。
今度こそ、失礼しましたと言って、保健室を出る。中から話し声が聞こえたが、わたしには無論関係ないと思い、そのまま教室へと向かう。
-
「ちょっと、今野くん?広瀬さんに何で馴れ馴れしく・・・」
「・・・あいつ、知ってる」
「え?」
「・・・昔、会ったことある」