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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 右側の特等席。 ( No.17 )
- 日時: 2012/09/17 10:49
- 名前: ゆえ ◆Stella/Y/Y (ID: cPRWXRxr)
【 第三話 】
教室の前に行くと、丁度授業の終わりを告げる鐘が鳴り、教室からはガタガタを椅子を仕舞う音が聞こえる。わたしはそっとドアを開け、先生のもとへ行く。
「先生」
「ん?・・・ああ、広瀬か。具合はどうだ?」
「十分楽になりました。なので、次の授業から出ます」
「そうかそうか、無理するなよ」
そう言って、先生は教室から出ていく。わたしはほっ、とし、友香がいるところへと行く。・・・皆からの視線が痛いけど、気にしないふり。
「友香」
「ん?あっ、真優!お帰り、大丈夫?」
「うん、大丈夫、ありがとう」
「そうかいそうかい!」
そう言ってにっと笑う友香は、本当に元気で可愛い。わたしも、友香みたいになりたかった。いつも笑顔で、励ましてくれて——・・・。
「何あいつ、今までサボってたの?」
「違う違う、いつも保健室で寝てるんだよ、体弱いって」
「うっわー、か弱いアピール?きもっ」
後ろから憎まれ口が聞こえる。だけど、聞こえないふり。気にしないふり。
わたしは弱い。心も、体も。だから、「やめて」何て言えない。言ったって、何も変わらない。
俯くわたしを、友香と真希くんと——もうひとり、誰かが見ている気がしたけど、気のせいだろうか?
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