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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 右側の特等席。 ( No.38 )
- 日時: 2012/09/17 20:04
- 名前: ゆえ ◆Stella/Y/Y (ID: 1/l8DPvU)
【 第八話 】
・・・駄目だ、また気分が悪くなってきた。少しベッドに横になろう。わたしは鞄を持って、階段を登って部屋に向かう。わたしの部屋は、弟の部屋の隣だ。
キイッと扉を開けて、中に入る・・・。
「・・・・・・へ?」
わたしは思わず素っ頓狂な声をだし、目を擦る。だって、目の前に・・・ベッドの上に、さっきわたしを助けてくれた——・・・。
「・・・よお」
————今野くんが居たのだから。
「え、え!?」
大声で叫ぶと辛くなるのに、今はそんな事気にしなかった。だって、目を疑う光景。何で、何でわたしの部屋に、今野くんがいるの・・・!?
焦りを隠せないわたしに気づいたのか、意地悪そうににやっと笑い、立ち上がってわたしに近づいてきた。
「え、何で、ここに・・・ここ、わたしの家、部屋・・・」
「うん。窓から入った」
「えっ、ま、窓!?」
バッと窓を見ると、全開だった。通りで風通しがいいと思った。・・・そういえば今日、朝窓の鍵を締めるのを忘れたような、気がする。ていうか・・・。
「な、何でわたしの家知ってるの?第一、不法侵入・・・」
「俺の家、この隣の隣で。いつもこの家の前通ってた」
「ええええええ・・・」
不法侵入に対しては何も言わないのか・・・?
「ま、こんなに近いのに会ったことなかったよな?これからよろしく」
「え、あ、はい・・・」
あまりにもの急展開に、わたしはただ頷くしかなかった。
ここは、わたしの部屋。
目の前には、今日初めてあった彼、今野くん。
この状況は、まったく理解不能だった。
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