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Re:  右側の特等席。 ( No.40 )
日時: 2012/09/17 20:18
名前: ゆえ ◆Stella/Y/Y (ID: 1/l8DPvU)


【 第九話 】




「・・・あ、そういえば」





今野くんの声に、ビクッと肩を震わせる。その様子に、今野くんが笑ってるように見えたけど・・・気にしない、絶対気にしない。
だけど、せっかく話しかけてくれてるのに悪いかな、と、そっと俯いてた顔をあげ、彼を見る。






「お前、恋したいの?」
「・・・・・・・・・へ?」





本日二回目の、素っ頓狂な声。彼の顔は、真面目そうに見えて、意地悪そうに見える。彼は一体何を言っているのだろうか?





「えと。・・・何を仰っているのか、意味がよくわからないのですが・・・」
「は?分かんねえの?馬鹿?」





・・・・・・否定は、出来ませんけども。会ったばかりのあなたには、そんなの言われたくない・・・。





「だあかあらあ。恋したいの?って聞いてんの。帰り話してたろ?」
「へあ?・・・・・・あ・・・」





そういえば、話した。友香と。でもわたしは、断じて「したい」とは言っていない。ただ、思った、けど・・・。
別に隠す必要もないので、わたしはこくっと頷く。






「・・・はい。・・・してみたいなあ、と」
「ふうん・・・」





すると今野くんは何かを考えついたように、にやあっと笑う。それはそれは、何かを企んでいるようで。





「じゃあ、してみる?」
「へ?」





「俺と。恋、してみる?」





「・・・・・・へ?」





本日三度目の素っ頓狂な声。その三度は全部、この彼のせいだった。