PR
コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 右側の特等席。 ( No.54 )
- 日時: 2012/11/14 18:28
- 名前: ゆえ ◆Stella/Y/Y (ID: U2HpTvJX)
第二章 【 「俺だけを見ろよ」 】
【 第十二話 】
ちゅんちゅんと、鳥の囀りが窓の外から聞こえた気がした。わたしはすうっと瞼を開き、布団から出て小さく欠伸をし、体の調子を確かめる。うん、今日はいい調子だ。
そして、昨日あった出来事をふと思い出す。
昨日部屋に入ったら、このベッドに彼が腰をかけていたんだ・・・。思い出して、ひとりでにふふっと笑う。今のわたし、他人から見られたら、ひとりで笑う気持ち悪い子って、思われるんだろうなあ・・・。
ベッドからゆっくりと立ち上がり、扉を開けて、階段を降りる。
顔を洗ってご飯食べて歯を磨いて着替えて・・・そうしたら、いつも通り友香と真希くんが迎えに来てくれる。そこまでは、今までと同じ日常。
でも、学校に行ったら、少しでも昨日と違う?
今野くん、話しかけてくれるといいな。
もし具合悪くなって保健室行ったら・・・いるかな?・・・今野くんが怪我する限り、来ないか。
「・・・えへへっ」
顔が勝手ににやけてしまう。だってわたし、もうこんなに今野くんの事しか頭にないじゃない。
それに、昨日会ったばっかでおかしいと思う人もいると思うが——・・・。
なぜだろう、わたし。昨日からのちょっとした違和感。
わたし、昔今野くんに会った気がする。
きっと、ただの違和感だろうけど。
水を顔にぱしゃぱしゃかけながら、今野くんの事を思い出しては、にやける気持ち悪い自分が、朝から居た。
PR