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Re:  右側の特等席。 ( No.55 )
日時: 2012/09/21 19:07
名前: ゆえ ◆Stella/Y/Y (ID: qDIY9VCZ)



【 第十三話 】





しばらくして身支度を終えると、丁度インターホンがなる。時間が時間だから、友香と真希くんだ。
わたしは急いで靴を履いて、鞄を持って、「行ってきます」と言う。すると帰りとは違って、優しい「行ってらっしゃい」と、無愛想な「・・・おう」という声が聞こえた。わたしは家のほうに微笑んで、ドアをあけた。するとそこにはやっぱり、友香と真希くんが待っていた。






「おはよー真優!」
「おはよ」
「友香、真希くん、おはよう」





にっこり笑って出迎えてくれたふたりに、わたしもにまっと笑って返す。そう、ここまでは、大切な大切なふたりとの、いつも通りの日常。

さあ、学校では、どんな一日が待っているのかな?
わたしは高鳴る胸を抑えながら、ゆっくりと歩き出した。





-





「・・・はあ・・・」





一階の廊下、保健室前。

友香と真希くんは、ついさっき階段を登って教室へと行ってしまった。
わたしはと言うと、お約束の保健室。
ついつい調子に乗ってしまった。学校に着く頃には体がだるく、我慢できずにギブアップ。やっぱり保健室に来てしまった。

ガラッと扉を開けると、やっぱり笹川先生が椅子に座って書類に目を通していた。「失礼します」と保健室に入ると、笹川先生はこっちを見て、にこりと綺麗に微笑んだ。






「おはよう、広瀬さん」
「おはようございます・・・」
「・・・顔赤いけど、まさか気分悪い?」
「・・・・・・はい、そのまさかです・・・」






わたしがそう言うと、笹川先生は「あらあら」と心配そうな顔をしながら、わたしに体温計を差し出してくれた。わたしは「ありがとうございます」と言って受け取る。

ちょっとすると、聞き慣れた機械音が聞こえる。取り出して見ると、37度あった。






「やっぱり微熱。ほらほら、ベッドに寝て寝て!」






笹川先生がいつものベッドを指差していう。先生、やっぱりって。地味に傷つく・・・。