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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 右側の特等席。 ( No.58 )
- 日時: 2012/09/22 11:09
- 名前: ゆえ ◆Stella/Y/Y (ID: 5ylIrv3G)
【 第十四話 】
でも、やっぱりって言われるのは仕方がないから。わたしはフラフラとベッドに近づいて、勢いよく倒れた。あ、今ので吐きそうになった。
本当に、何してるんだろ、わたし。昨日といい今日といい、調子乗りすぎだよ。たかが「恋してみる?」と聞かれただけで、あっちはわたしに本気になることないって言ってたのに、自分で浮かれて自分で気分悪くして。自業自得としか言い様がない。
そんな事思っていると、ピンポンパンポーン、という、教師を呼ぶためだけにあるチャイムがなった。
『笹川先生、笹川先生。お電話です。至急職員室までおいでください』
「・・・げえー、めんどくさいっ」
先生、そんな事言っていいの・・・?
笹川先生は溜息をついて、わたしのところに近寄ってきた。
「ごめんね、広瀬さん。先生呼ばれちゃった。ちょっといなくなるけど、いいかな?」
「はい、大丈夫、です・・・」
「そう、ならいいわ。じゃあ、行ってきやす!」
先生は敬礼をすると、保健室を出て行った。
わたしははあ、と息をはいて手で目を覆う。
どうしていつも、こうなるんだろう。
あの日も、そうだ。
無理して無理して、結局は大事な人を失った。ほら、自業自得。
———ああ、駄目だ。また泣きそうになってきた。
昨日は、あんなにも笑顔でいれたのに。だけどそれは、あの人が・・・。
——今野くんが、居たから。
我が儘なんて言わないから、せめて願わせて。
今すぐ、会いたいな。
そしてわたしの、涙を止めて欲しいな。
目を瞑ると同時に、頬に温かいものが流れた。
目が覚めたら、わたしのこの・・・右側に、彼が座っていればいいのに、なんて思いながら意識を手放した。
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