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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 【コメ】右側の特等席。【募集中】 ( No.60 )
- 日時: 2012/09/22 12:28
- 名前: ゆえ ◆Stella/Y/Y (ID: 5ylIrv3G)
【 第十六話 】
なんて俺様な、上から目線な言い方。だけど、それでも。わたしは、嬉しい。だって、また来てくれるんでしょ?わたしはまた、右側を少し開けて、ふふっとひとりでにやける。
おかしいな。少しだけ、少しだけ、体が軽くなった気がする。それは、今野くんの笑顔が見れたから。きっと、そう。
目が覚めたら一番に、今野くんの顔をみたい。
そして、どうかあなたの夢がみたい———・・・。
-
「・・・広瀬、真優。虚弱体質・・・」
「あら?今野くん。もう鐘なったわよ。早く教室戻りなさい」
「・・・先生」
「ほら、何つっ立ってるの。早く戻れ。・・・なさい」
「・・・何その言い方。・・・はいはい、戻りますー」
「ったく・・・広瀬さん、大丈夫?」
「ぁ、はい・・・」
「・・・もしかして、あの時の・・・?」
-
しばらく休むと、体が随分軽くなった。だけど目眩は止まらない。案の定、さっき体温を図ると、38度をこえていた。微熱が、本熱に。
はあはあ、と息苦しくなる。やばい、ひどいな、これ・・・。
「広瀬さん、家帰る?」
「・・・ぇ」
駄目。帰ったら、彼との約束はどうなるの?待ってますって、言った。また来るって、言ってた。
それに、お父さんも仕事。誰も迎えには来れない。
辛いけど、家族のため。自分の、約束のため・・・。
「・・・いえ。だいじょう、ぶです・・・」
「・・・そう。あまりにもやばい!って時は、言いなさいね」
笹川先生は、うちの事情を知っている。母親はいない。父親は仕事。弟は学校。わたしが前、教えたことだ。
笹川先生は優しい。いつもわたしの気持ちを大事に汲み取ってくれる。だからこそ、言っておきたかったから。
「ありがとう、先生・・・」
その時、コンコンッとノックが聞こえた。
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