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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 【コメ】右側の特等席。【募集中】 ( No.64 )
- 日時: 2012/09/22 18:06
- 名前: ゆえ ◆Stella/Y/Y (ID: oaGCnp6S)
【 第十八話 】
しばらくして予鈴がなって、ふたりは帰っていった。寂しいけど、しょうがない。わたしはまたベッドに転がる。さっきまでは楽しかったのに、今はもうこんなに静か。そう思ったらやっぱり、体がずんっと重くなって、頭痛もひどくなってきて・・・吐き気がする。
ひとりは、いやだ。
ひとりだって実感すると、瞼の裏に焼きついているあの日の光景が浮かんで見える。
足元まで来る紅い液体。泣き叫ぶわたし。電話に耳を傾けるトラックの運転手。きっと救急車を呼んでいるんだ。えらいと思った。だって、逃げなかったから。
・・・ああ、駄目だ。また泣きそうになる。
「・・・おかぁ、さん・・・」
一粒、涙が流れる。そうすると、もう止まらない。
次々に溢れる温かいそれは、どんどん流れ落ちては、シーツに染みを作る。・・・後で、先生に言わなきゃな。
そんな事を思っても、涙は全然止まる気配がない。
「ふ、ぇっ・・・」
息苦しくて、咳き込む。やだやだやだ。ひとりは嫌だよう・・・。
「こんの、くん・・・っ」
気づけば彼の名前を呼んでいた。来るわけない、だって今、授業中———・・・。
「——っ、広瀬!!」
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