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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 【コメ】右側の特等席。【募集中】 ( No.67 )
- 日時: 2012/09/23 13:40
- 名前: ゆえ ◆Stella/Y/Y (ID: eU6pGfOj)
【 第十九話 】
「——っ、広瀬!!」
————————え?
何で?何で?何で今野くんが、わたしの目の前にいるの・・・?だって今、授業中でしょ?なのに何故、今わたしの名前を呼んで、駆け込んで来たの?はあはあと、肩で息をしているところを見ると、走ってきたんだろうか。
「な、んで・・・今野、くん・・・今、授業ちゅ、う・・・」
「・・・広瀬が、俺のこと呼んでいると思ったから」
なんでだろうな、と後頭部をぽりぽりかいて、今野くんは言う。そしてわたしに近づいて、そっと涙をすくう。
「泣いてたろ?」
「・・・っ、ぅ、ん・・・」
「我慢すんな」
「・・・え?」
「別に泣いてもいいんだぜ?ほら、俺の胸かしてやっから」
そう微笑んで言った今野くんの優しさがしみ、わたしはさらに涙を零す。止まらない。泣き顔は恥ずかしいので、言われたとおり今野くんの胸に顔を埋める。
そんな優しくしないで。
だって、あなたはわたしに本気にはならないんでしょう?
これ以上あなたの事を好きになってしまうと、それじゃ物足りない。
わたしを見て欲しい。
わたしを好きになって欲しい。
わたしの隣にいてほしい。
そんな事、思ってしまうから———・・・。
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