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Re: 【コメ】右側の特等席。【募集中】 ( No.70 )
日時: 2012/09/23 15:34
名前: ゆえ ◆Stella/Y/Y (ID: MYJPyXYE)


【 第二十話 】





何分ぐらいたったのか。涙が出なくなった。よく漫画で見る、「涙が枯れて出なくなった」って、本当にあるんだなあ〜って思った。だって今、わたし自身がその状況。さっきまで号泣していたのが嘘みたいに、ぴたっと止まった。今は今野くんの胸で、しゃくりを上げている。息を吸ってはいて、落ち着かせる。




過去の事をずっと引きずって皆に迷惑をかけるなんて、わたしってなんて馬鹿なんだろう。今野くんも「胸かす」って言ってくれはしたけど、きっと「なんだこいつ」とか思っているんだろうな。




そう思うと、もうこうしちゃいられないと思って、胸から顔を離した。きっと変な顔をしているけれど、目を合わせて言わなきゃ・・・。






「・・・ごめんね、ありがとう・・・」
「・・・・・・っ」





今のわたしの笑い、ひきつっていないかな。ちゃんと笑えたよね?心配かけちゃいけないから。
今野くんはふっと笑って、わたしの頭にぽんっと手をのせる。






「いつまでも過去引きずってんなよ。大切なのは今だろ?今を見ろ」
「・・・・・・今野、くん・・・」





ほら、また優しい事を言う。そうやってわたしをどんどん引き込んでいく。思わせぶりな言い方してわたしを虜にして自分は本気にならないなんて、なんて罪な男。
まあ、そんな今野くんを好きになってしまったのは、わたしだけど。






「・・・うん、そうだね」
「あ、あと。さっきの男女、だれ?」
「へ?」





男女と言えば・・・友香と真希くんだろうか?






「え、見てたの?」
「言ったろ、また来てやるって」






・・・あぁ、言ってくれた。