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【 第二十二話 】




「・・・へ？」





いきなり上から目線で、何を言っているのだろうか、今野くんは。俺だけをみろよ？そんなの、言われなくたって見ている。頭の中には基本今野くん。さっき助けを求めていたのも今野くん。呼んだのも今野くん。ほら、今野くんだらけでしょ？



昨日会ったばかりなのに、なんて軽いんだろう、って自分でも思う。だけど、それほど彼は人を惹きこんでいく。俺様な顔の裏に、優しさがある。その優しさに、わたしは惹かれたんだ。






「・・・もう、見てます」
「あ？」


「わたしはもう、今野くんしか見てない・・・」






自分で言ってて恥ずかしいけど、本当のことだから。わたしの頭の中には、今野くんただひとり。そりゃ、友香も真希くんも大事だけれど、中心は、あなたなんだよ———・・・。






「・・・逃げないか？」
「へ？」


「俺がもし・・・もしお前を求めても、逃げないか？」