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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 右側の特等席。 ( No.90 )
- 日時: 2012/10/06 17:50
- 名前: ゆえ ◆Stella/Y/Y (ID: Px/IPFYk)
【 第二十五話 】
「・・・あれ、真優?」
背後から聞こえる、聞き覚えのある声。そっと後ろを振り向くと、やっぱりそこには真希くんが、不思議そうな、だけど優しい顔をして立っていた。泥だらけの服から、部活後だと安易に予想できる。
「真希くん。今帰り?」
「うん、そう。真優はめずらしいな?俺いつもこの時間に通ってるけど・・・」
そう言って首を傾げる。ああ、だから不思議そうな顔をしていたのか。ちょっぴり恥ずかしいけれど、本当の事を言う。
「・・・保健室で熟睡してたら、こんな時間に・・・」
「・・・ふっ」
素直に言うと、案の定笑いが返ってきた。しかも、鼻で笑われた。・・・ちょっと、悔しい。
「・・・ま、とりあえず帰ろう。もう暗いし」
「あ、うん」
そう言って、何の抵抗もなくふたり並んで家の方向へと歩き出す。だって、朝も一緒に登校しているのだし、第一昔から一緒だし。よくわたしと友香と真希くんの三人で遊んでたりもしていた。だから今更嫌がることなんてない。男女だとしても、別に気にしない。したことがない。
そんなわたしを、真希くんが横から見てる気がしたけど・・・暗いからよく見えなかった。
空には、たくさんの星が輝いていた。
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