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Re: 右側の特等席。 ( No.98 )
日時: 2012/10/08 14:01
名前: ゆえ ◆Stella/Y/Y (ID: CG4DItxk)


【 二十六話 】



翌朝。瞼を開けて、そっと顔の左側にある目覚まし時計の時刻を見る。六時半ちょっと過ぎ。体をゆっくり起こさせて、今日の体調を簡単に確かめる。重い時は微熱で、軽い時は平熱。今までの経験から、そう学んだ。
今日は体が軽い。昨日保健室でずっと熟睡していたからだろうか。まあともかく、平熱でよかった。

しゃっとカーテンを開ける。眩しい朝日が緑の木々の葉の間から、わたしに降り注ぐ。窓から、家の前を清掃しているおばあさんの姿が見える。毎日ご苦労さまだな。

今日は、放課後まで教室に居れる気がする。何だか、そんな気がした。

早く今野くんに会いたいな、なんて思いながら学校へ行く支度を始めた。




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「まーゆ!」
「おはよう、真優」




気づけば、もう学校へ行く時間。支度もしっかり整えて、いつも通りの時間に家を出ると、やはり友香と真希くんが待っていてくれた。




「おはよう。今日、いい天気だね」
「そうだねっ!何か真優も顔色いいし!今日、もしや調子いい?」
「うん。体、すごく軽い」
「そか!よかった」
「おい、二人共。行くぞ」




いつもの日常。いつもの通学路。

だけど今日、何かが起こる気がしていたのは、気のせいだろうか。