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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 右側の特等席。 ( No.103 )
- 日時: 2012/10/10 11:47
- 名前: ゆえ ◆Stella/Y/Y (ID: OGx4sWVO)
【 第二十八話 】
暫くして、朝のHR開始を告げる鐘が鳴る。この時間帯に教室にいるなんて、何日・・・いや、何週間ぶりだろうか?ちょっと新鮮で、なんだか入学したばっかみたいで、面白い。相変わらず、担任はくどくど長く喋るが。
「・・・以上だ。終わり」
「・・・きりーつ。れい」
「ありがとうございましたー」
やっと終わった。わたしはすぐに机に寝そべる。先生、話長い。疲れた・・・。
「真優ーっ!」
「・・・友香」
そんなわたしのところに、茶色いショートの髪を揺らしながら近づいてきた。真希くんは、クラスの男の子と楽しそうに談笑している。
「あのさあのさっ!HRの間考えてたんだけどっ」
「?うん」
「この前真優を助けてくれた人とは、どうなったのっ!?」
——・・・。この前、わたしを助けてくれたの、って・・・。
友香に手をひかれ転びそうになったあの時。痛みを感じず不思議に思って目を開くと、そこには・・・。
「・・・今野くんのこと?」
「名前は知らないけどっ!ほら、淡い茶髪のあの人っ!」
間違いない。今野くんの髪色は、淡い栗色。染めているのかはわからないが・・・透き通っていて、とても綺麗な髪だった。
どうなった、と聞かれても。恋してみるか?と聞かれたぐらい。それに今野くんには・・・好きな女性が、いると聞いたから。わたしが今野くんを本気で好きになったとしても、今野くんは一生その人を想い続けると言っていたから。進展なんて、あるわけない。
「・・・別に、何にも・・・あ」
・・・抱きしめ、られた。
あの時を思い出して、かあああっと顔が赤くなるのが自分でもわかった。そんなわたしをどのように受け止めたのか、友香はいやあっと笑って、言った。
「会いに行こうよっ」
「・・・へ?」
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