コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 右側の特等席。■コメ100突破■ ( No.104 )
- 日時: 2012/10/10 12:19
- 名前: ゆえ ◆Stella/Y/Y (ID: OGx4sWVO)
【 第二十九話 】
「ちょっ、友香、ほんとに行くの!?」
「決まってんじゃーん!真優の恋、応援してんだからっ」
昼休み。お弁当を食べたあと、わたしは友香に引きずられています。
理由は安易にわかる。友香が今野くんのところにわたしを連れて行こうとしていて、わたしがそれを断固拒否しているから。
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「会いに行こうよっ」
「・・・へ?」
会いに行くって、誰に?・・・今の話の流れからだと、普通にわかるのだが。わたしには理解できなかった・・・否、理解したくなかった。
だって、会いに行くなんて。彼女でもない、大して親密な関係でもないのに。そんな無謀な事など、わたしにはできっこないだろうに。それを一番わかっているのは、今わたしの目の前でにへにへ笑ってる、友香であろうに。・・・昔からこんな性格だな、友香さんは。
「む、無理だよ・・・。だって付き合ってもないのに・・・」
「関係ないでしょっ!つか、好きな人に会いにいくなんて、普通じゃない?」
「普通じゃないよ!」
わたしにとって、はね。
「だっ、第一クラスも知らないもん・・・会えるわけないよ」
「あたしが他の子に聞いてみるよ!よし、決まり!じゃ、昼休みね!もう鐘なるし、あたし席に戻るね〜!」
「ええ!?あっ、ちょ、友香!」
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まあ、そんなこんなで今に至る。行かないって言ったし、態度でもこんなに示しているのに、友香はひこうとしない。
一歩も動かないわたしに怒りを覚えたのか、ばっと振り返って、言った。
「もうっ!何で動かないの!会いたくないの!?」
凄い勢いで言われる。違う、会いたくないんじゃなくて、彼女でもないのに、そんな図々しいことをしたら・・・嫌われるんじゃないかって、怖いから。そして・・・
「っ、恥ずかしい、んだもん・・・」
そう、恥ずかしい。顔が見れない、目が合わせられない、それぐらい恥ずかしい。
そう言うと、友香が静かになった。諦めてくれたのかな?と思い、そっと顔をあげると・・・。
「・・・え」
目をきらきらさせた、友香がいた。