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Re: 右側の特等席。■コメ100突破■ ( No.106 )
日時: 2012/10/12 18:27
名前: ゆえ ◆Stella/Y/Y (ID: bb62jU93)


【 第三十一話 】





「ほらっ、着いたよ真優!」
「・・・・・・はあ・・・」




二年二組の前。眩しいほどの笑顔を隣で浮かばせている友香は、早く今野くんを呼べ、と言うような目線でわたしを見る。そんな友香に、わたしは思わず溜息をつく。因みに、二学年は生徒数が多いので、八クラスあり、わたしは七組だ。




「来ないって言ったじゃん。なのに、何で・・・」
「・・・あれ?広瀬じゃん」




背後から聞こえる愛おしい声。その声の主は、今わたし達・・・否、友香が探していた人の声であって。低くて、大人っぽい声。





「こ、今野くん・・・」





そう、今野くんであった。




「何で此処に居るの?お前、七組じゃなかったっけ?」
「あっ、はい、そうなんですけ、ど・・・」
「何?誰かに用とか?呼んでやるよ、誰?」
「えっ、いや。あの・・・」




隣では、声を発さずキラキラした目でわたしを見詰める友香。ちょっと、助けろ・・・!と言う思いを込めてちらっと友香を見たのだが、ガッツポーズをし、口パクで「頑張れ」と言い、ダッシュで教室へ戻っていった。・・・この、裏切り者・・・!




「おい?広瀬・・・」
「・・・くんにっ!」
「え?」




もう、どうにでもなれ!わたしはやけくそになって、言った。




「今野くんに・・・会いに、来ちゃいました・・・」