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Re: 右側の特等席。■コメ100突破■ ( No.113 )
日時: 2012/10/14 18:45
名前: ゆえ ◆Stella/Y/Y (ID: 2eNHBjew)


【 第三十四話 】





「はー・・・」




五時間目、英語。わたしは生暖かいため息をつく。英語なんて意味わからない。授業に出てなかったのもあるけれど、英語なんて、日本人なのに勉強する必要あるのか?って思うと、もうやる気はどっかへ吹っ飛んでしまう。英語以外は、人並みにはできるのだが、どうしても英語だけは無理。だめ。

まあ、そんなのは言い訳で。頭の中には、単語や短文などは入ってきていなくて。さっきの屋上の出来事しか、考えていなかった。

・・・最初、わたしなんかかちこちで、言葉なんて発せなかったのに、今野くんが優しく話しかけてくれたおかげで、わたしの肩から、すっと力が抜けて、軽くなった。

それからは、カタコトながらも話せるようになった。内容は、今日の体調はどうなのか、とか。今のクラスの雰囲気は、とか。なんにもない話だけれど、すごく楽しかった。

昼休みの十五分、とても有意義だった。

今野くんの事を考えていると、もう授業を終える鐘がなった。・・・最初から最後まで、今野くんまみれの五時間目だった。




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「友香、帰ろう」
「おお!凄い真優、朝から放課後まで教室にいたね!褒めてしんぜよう!だけどごめん!用事があるから帰れない!」




一気に捲し立てる友香。うん、朝から放課後まで教室にいるなんて、わたし、すごい。・・・不本意なあだ名を付けられてしまったけれども。
それと・・・友香、用事か。しょうがない、ひとりで帰ろう。




「わかった。じゃあ、帰るね。ばいばい」
「ほんとごめんねえ!明日は帰れると思う!じゃ、ばいばあい!」




手を振ると、凄い勢いで振り返された。友香は、いつも元気だなあ。わたしは笑って、帰路へと向かった。