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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 右側の特等席。■お客様10人突破■ ( No.124 )
- 日時: 2012/10/17 19:29
- 名前: ゆえ ◆Stella/Y/Y (ID: qE7xYJzO)
第四章【 「好きだった」 】
※四章長めです
【 第三十八話 】
「ふわあ〜・・・」
まだ少し熱を持っている頬を自分の手でそっと撫でる。
あの時から、もう放課後、そして自分の家。どのように時間を過ごしたのか、どのように家に帰ってきたのか、もうすっかり忘れてしまった。頭に焼き付くのは、耳にかかった熱い息と、優しい微笑み。意地悪な顔をしたと思ったら、優しく笑うんだから。罪な男。ギャップが駄目だと思う。
その時、携帯がなった。ディスプレイを見ると、友香からだった。
「はい、もしもし」
『あっ、真優?こんばんは、体どお?』
「こんばんは。大分マシになったよ!ありがとう」
「えへへっ、どういたしましてっ」
・・・なんだろう、気のせいかな?
友香の声が、いつもより高くてふわふわしてる気がする。まあ、いつも高くて可愛い声だけど。
『あのねっ、明日うちの学年に転校生来るらしいよっ!』
「え、転校生?この季節に?」
季節は、夏が過ぎ秋に近づいている。こんな季節に転校生何て来るのか・・・。可愛くて優しくて、わたしなんかとも仲良くしてくれる女の子がいいな。何て、高望みしすぎか。
『イケメンならいいなっ!男希望!』
「えー、わたしは女の子希望」
『もうっ、真優ったら・・・あ、そっか。真優には大好きな大好きな人がいるもんね!』
「・・・・・・」
友香、実はそれを言いたかっただけじゃないの?
「そっ、それを言うなら!」
『んー?』
「友香は、大好きな人いないの!?」
『・・・え』
そう言うと、いきなり友香の声のトーンが下がった気がした。
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