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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 右 側 の 特 等 席 。 ( No.140 )
- 日時: 2012/11/11 13:39
- 名前: ゆえ ◆Stella/Y/Y (ID: 5QvnJaR.)
【 第四十七話 】
「っあ、はあっ・・・」
息が、苦しい。そりゃそうだ、だって保健室から帰路の半分まで走ってきたのだから。こんなに走ったのは、もしかしたら生まれて初めてかもしれない。流石に翼くんでも追いかけてこないだろうと、わたしは止まって休む。やばい、クラクラする。眩暈が、酷い。
「・・・まゆ、って・・・」
翼くんが、わたしのこと。
真優って、呼んだ。
けれど、あの人の事を愛おしそうに呼ぶ声で、わたしの事を呼んだ。
そんなの、なんか嫌だ。だったら、広瀬でいい。そのほうが、何か特別って感じがするんだ。
——いつの間にか、こんなにも好きになっていた。
報われない恋だって、自分が一番わかっているのに。
こんなにも、好きになっていた。
「ふぇっ・・・」
ここは外だとか、見られてるとか、そういうの気にもしなかった。
ただ、泣きたかったんだ。
「つばさ、くん・・・」
諦めよう。
まだ、遅くない。
「さよ、なら・・・」
わたしの儚いつぶやきは、赤く染まった空へと溶け込んでいった。
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