コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re:   右 側 の 特 等 席 。  ( No.148 )
日時: 2012/11/13 20:37
名前: ゆえ ◆Stella/Y/Y (ID: lquHsOOW)


【 第五十話 】



「・・・ふぅ・・・」



その後彩奈ちゃんと別れて、自分のクラスに向かう。彩奈ちゃんは五組らしい。わたしは七組だから、意外と近い。
ガラッと扉を開ける。HRまでまだ時間があるので、教室内はざわついていた。わたしは友香の姿を見つけ、自分の机の中に教科書を入れて、友香のもとへ駆け寄る。友香はわたしの姿を見ると、「おかえり〜」と言って招き入れてくれた。その場には、同じクラスの人が友香合わせて三人居た。
確か——・・・、柏木さんと奥村さんだ。



「で、どうだったの真優、修羅場は」
「んーと・・・、普通」
「あはっ、何それ!」



わたしが正直に答えると、友香は爆笑し始めた。
修羅場なのか分からないから普通って言ったのに、何故に爆笑?
わたしがおろおろしていると、



「友香、笑いすぎじゃね?」



と、奥村さん。



「初めましてだね、広瀬さん!」



と。柏木さん。



わ、わわわわ、初めて話しかけられた・・・!
それに、名前知っててもらってる!



「はっ、初めまして柏木さん奥村さん!ひ、広瀬 真優と申すものです!」
「あはっ、堅苦しいよ?あたし、奥村 桃乃だよ!よろしくね!」
「広瀬さん、面白いね!あたしは柏木 美妃です、仲良くしようね?」
「は、はいっ!」



嘘、初めて「よろしくね」、「仲良くしようね」って言われた・・・!
友香を見ると察してくれたのか、にっこりと微笑んでくれた。
う、嬉しすぎる・・・。



「はい、席についてー」
「あ、じゃあまたね!友香、美妃、真優ちゃん!」
「え、えと、真優でいいです。桃乃ちゃんも、美妃ちゃんも」
「そお?じゃ、真優!バイバイッ」
「バイバイ、三人とも!」
「ば、バイバイ・・・!」



すごい、一気に二人もお友達が出来た・・・!
・・・こんなわたしでも、一歩でも前進しているのかな?なんて。


——実際には、成長なんてしてないけれど。