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Re:   流  星  恋  愛  。   ( No.154 )
日時: 2012/11/14 18:36
名前: ゆえ ◆Stella/Y/Y (ID: U2HpTvJX)


【 第五十四話 】




「つ、翼くん・・・?」
「・・・何で答えないんだよ?なあ」
「っ!」



グイッと手首を乱暴に握られて、つい声が出てしまう。
——何で、そんな悲しい顔をしているの?
怖い。怖いよ。



「・・・お前は俺のこと、好きなんじゃないの?」
「——え?」
「俺が彩奈とふたりっきりで、何も思わねぇのか?」
「そんなことっ・・・・・・!」



あるわけない、自分では言ったつもりなのに、余りにも小さくてまるで隙間風のように消えていった。
思わないわけない。だってそれで泣いてた。
その前までは——、わたしだけを見ていてくれたのに。
・・・本気にならない、その言葉が余りにも辛い。



「じゃあ何で逃げた?俺のこと好きなんだろ?」
「っ・・・す、好きです」
「じゃあ何でだよ」



・・・分からないの?
分かってくれないの?
自分で言ったくせに、わたしに言わせるの?
——ほんと、ひどい。
いつまでもタラタラと未練がましく引き摺るわたしも、ひどい。



「っ、だって・・・」
「ん?」



手首の力が緩む。何かと思って翼くんを見ると、優しくこちらを見ていた。


——バカ。


そんな顔、されちゃ。
止まらない。




「翼くん、本気にならないんでしょ・・・」
「え?」

「っ、いくらわたしが思ってもあなたはわたしを思ってくれない!
どうせ翼くんは、彩奈ちゃんが好きなんでしょ!?なのに、なんでっ・・・」




——わたしにそんな顔、見せるの・・・?