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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 流 星 恋 愛 。 ( No.155 )
- 日時: 2012/11/14 18:50
- 名前: ゆえ ◆Stella/Y/Y (ID: U2HpTvJX)
【 第五十五話 】
言い終えたあと、ハッとする。
わたし、何てこと言っちゃったんだろうって。
これじゃやっぱり、翼くんを困らせるだけじゃない。
だって案の定、翼くんは黙ったままで何も言わない。
・・・長い沈黙を破ったのは、翼くん。
「・・・・・・じゃないよ」
「え?」
「彩奈のこと、好きじゃないよ」
「・・・・・・え?」
スキジャ、ナイ?
・・・好きじゃない?
嘘、嘘だ。
「め、目が違ったもん・・・!すごい、愛おしそうな目で・・・」
「・・・ぷっ。俺のこと、よく見てんだな?」
「っ!す、好きですか、ら・・・」
もしかして、墓穴を掘ってしまったかもしれない。
顔がみるみる熱くなる。そうだよ、好きじゃなかったらこんなに苦しまないもの。
「・・・本当に、好きじゃない。
——正確に言うと・・・」
翼くんは、わたしの手首を離して、優しく摩ってくれた。
「・・・好きだった。それだけ」
遠い目をしながら、ボソリと言う。
——好きだった。
じゃあ今は、好きじゃないの?
「・・・今は?」
わたしがそう言うと、翼くんは驚いたような顔をしてこっちを見た。
え、なんか変なこと言ったかな・・・。
「お前・・・。気づいてねえの?」
「へ?何が・・・」
「マジかよ・・・」
翼くんは深い溜息をついてしゃがみ込む。え?え?何?
じろりとこっちを見る翼くん。
「好きじゃない女に、こんな一生懸命になると思うか?」
「・・・・・・え?」
ゆっくりと立ち上がる。
そしてわたしの手を握ったかと思えば、
・・・引き寄せられる。
暖かい、広い。
・・・わたし、今。
「・・・好きだ、真優」
・・・夢、見てる?
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