コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 流 星 恋 愛 。 ( No.156 )
- 日時: 2012/11/14 19:08
- 名前: ゆえ ◆Stella/Y/Y (ID: U2HpTvJX)
【 第五十六話 】
「・・・は、え?」
「・・・蠅ってなんだよ」
な、何?
わたし今、抱きしめられてる?
今——、わたしを抱きしめているヒトは、なんて言った?
「ごめんなさい、も、もう一度・・・」
「・・・何度も言わせんな、バカ」
「う、す、すいません・・・」
やっぱり、図々しかったのかな?呆れられちゃった?
しゅんと落ち込んでいると、「・・・はあ」と言うため息が上から聞こえた。
「・・・っとに、可愛すぎ」
「・・・へ?」
ボソッと呟かれたと思えば、ギュウッと一段と強く抱きしめられる。
え、ええ?
「・・・好きだよ、真優」
「〜っ!」
空耳なんかじゃ、無かった。
本当に——・・・。
翼くんが、わたしのこと・・・?
「な、何で・・・?」
「え?」
翼くんがわたしをすっと離して、温もりが無くなってしまう。
「どうして、わたしの事を?
——本気にならないんじゃ、無かったの?」
「・・・あぁ、それ」
それって!わたしにはそれが一番大事で、それをずっと引き摺って・・・。
「最初は、本気にならないつもりだった。
——ずっと、彩奈を想っているつもりだった」
「・・・っ」
それを聞いて、ズキッと胸が痛くなる。
やっぱりあの時のわたしの部屋での顔は、彩奈ちゃんを思っての顔だったんだ。
「・・・でも、いつの間にか・・・。お前を見ていた。お前しか考えられなくなった」
「〜っ、翼くん・・・」
どうしよう、嬉しい。
そして、翼くんの顔がこれ以上ないくらい真っ赤で、・・・可愛い。
「あぁもうっ、これ以上は言わねえよ!恥ずかしい!」
「えぇ、なんでよう、聞きたい・・・」
「〜っ!」
わたしがそう言ったとたん、翼くんの顔がさっきよりも真っ赤になった。え、どうしたんだろ・・・。
「翼くん?大丈夫・・・」
「・・・お前、ほんっと無理。駄目」
「へ?な、に・・・」
不意に翼くんの顔が近づいたと思えば、おでこに柔らかい感触。
——え?
「つ、つつつつ翼くん、いっ、今・・・」
「・・・そのうち、言ってやるからな?真優」
「〜っ!」
「これからよろしく、彼女サン?」
「は、はいっ・・・・・・!」
広瀬 真優、高二。
人生初の彼氏は、大好きな人。
第四章 E N D