コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re:   流  星  恋  愛  。   ( No.157 )
日時: 2012/11/15 18:47
名前: ゆえ ◆Stella/Y/Y (ID: RGB9kNzS)


第五章【 「ふざけんな」 】



【 第五十七話 】



翼くんと両想いというまさかの事実が判明して、一週間。
あの後真っ赤な顔で教室に戻ったら、案の定友香と美妃ちゃんと桃乃ちゃんに問い詰められた。
そこで三人の勢いに負け、「付き合うことになった」と報告すると、三人はまるで自分の事のように喜んでくれた。
「真優おめでとぅーすぱーちー」と言う友香が描いた意味不明な看板を電気の紐にぶら下げて、パーティーまでもしてくれた。

けれど問題はわたしにあって、彼女になったというのは嬉しいけれど、前みたいに接する勇気がなかった。
気まずくなったらどうしよう、ってまで思った。
雰囲気が変わったらどうしようって。



けれどそれは、ただの杞憂に過ぎなかった。




「おー真優、おはよ」
「あ、翼くんおはよう・・・」
「泉姉も泉弟も、おっす」
「どうもどうも今野くん、いつも真優がお世話になっております!」
「・・・・・・」




友香がふざけて返して、真希くんがじろりと睨む。どうやら真希くんは、翼くんの事が嫌いなようだ。なんでだろ。
そしてそして——・・・。




「じゃ、俺宿題やってねえから行くな。じゃ」
「あ、うん、バイバイ・・・」




普通、すぎる。




「なーんか、真優と今野くんて、変わんないねえ?」
「うっ・・・・・・」




友香にまで、言われる始末。

そりゃ、変わったらどうしようってのが心配事だったけれど、
こんな——、あまりにも変わりようのない、ぱっとしない関係も、どうかと思う。
それにあれから、「好き」も言ってくれないし、ギュッともしてくれないし、で、デコチューもしてくれないし・・・。




「・・・お前ら、本当に付き合ってんのかよ」
「ちょ、バカ真希、何言って・・・」
「・・・俺、先行くわ」
「え、真希くん?」
「あっ、真希!」




真希くんが吐き捨てるように言って、足早に教室へと行ってしまう。




『本当に付き合ってんのかよ』




——付き合ってるよ、だって彼女って言ってくれたもん・・・。
今はそう、思い込むしか出来ない。