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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 流 星 恋 愛 。 ( No.161 )
- 日時: 2012/11/17 18:01
- 名前: ゆえ ◆Stella/Y/Y (ID: PfSERi5k)
【 第六十一話 】
わたしは友香とトイレに行ったが混雑しており、どこを行っても人の山。なので仕方がなく立ち入り禁止の屋上に行く。銀の錆び付いたドアをギイッと開けると、肌寒い風がぴゅうっと吹いた。もう冬だ、カーディガンを着なきゃ風邪を引いてしまう、わたしは何となくそう思った。
念のためすぐ見つからないような陰にふたりで座り、どちらとなく話し始めた。
「——友香、元気ないね?どうしたの?」
「・・・やっぱり、それかあ・・・」
後頭部をポリポリ掻きながら、溜息をつく。
やっぱりって、分かってたんだ。
元気ないってのも、否定しない。
本当に、何かあったんだ——・・・。
「・・・長く、なるけどいい?」
「もちろん。何なら、五時限目サボってもいい。友香の悩みなら何でも聞くよ」
「ありがとう、真優・・・」
友香は一息吸ってはいて、ゆっくりと口を開く。
「・・・あたし、あたしね・・・・・・。
真希の事が、好きなんだ」
「・・・・・・え?」
ポソリと呟かれた、友香の悩み。
だって、ふたりは双子の姉弟。正真正銘、血が繋がっているのでしょう?確かに顔はあまり似ていないけれど。
だけどそれが友香の悩みだとしたら。わたしは聞く、何でも。
「うん、それで?」
「・・・それだけ、だよ」
「嘘。友香は嘘つくとき、耳を触る」
「うっ・・・・・・」
わたしと真希くんだけが知っている、友香の癖。
友香、わたしには正直に言って。
頼りないけれど、きっと力になってみせる。
「・・・真希、さ」
「うん?」
「・・・真優のこと、好きなんだよ」
「・・・え?」
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