コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 流 星 恋 愛 。 ( No.177 )
- 日時: 2012/12/09 11:14
- 名前: 笑苺 ◆Stella/Y/Y (ID: qd1P8yNT)
- 参照: 元 ゆ え で す 。
【 第六十七話 】
「あのっ、あのね、翼くんっ」
「ん?」
さっき保健室であった出来事、翼くんに言ったほうがいいよね?
だって、恥ずかしいけれど、わたしの彼氏だもん。
自信、もっていいよね?
好きだって言ってくれた。
可愛いって言ってくれた。
彩奈ちゃんじゃなくて、わたしを選んでくれたから。
「さっきね、保健室で——・・・」
「翼っ!」
言おうとしたのに、遮られた。
誰に?
——翼くんの胸に飛び込んだ、彩奈ちゃんに。
「やだっ、翼いかないでっ・・・!」
「あや、な・・・」
「え・・・・・・」
何、コレ?
何が起きてるの?
何で翼くんに、彩奈ちゃんが抱きついてるの?
彩奈ちゃんはギュウッと翼くんに思いっきり抱きつき、わたしの方を睨んだ。
「あたし、見たんだよっ!」
「え?」
「この女がっ、保健室からニコニコしながら出てくるの!」
「は?」
「あ・・・・・・」
保健室から、ニコニコしながら出てくる。
それ、さっきのだ——・・・。
「何事かと思って保健室覗いたらっ・・・、男がいたの!」
「・・・・・・は?」
「本当だよ!この女、絶対保健室で何かしたんだよっ!」
「違っ・・・」
「違くないわよ!あんた最低だね!翼と付き合ってんでしょ!翼が好きなんでしょ!なのになんで、違う男とふたりっきりでいんのよ!意味わかんないわ!」
「〜っ・・・」
彩奈ちゃんの言うことも、一理ある。
けれど、違う。
わたしは、これからの自分達のために・・・。
「——わたしだったら、そんなことしない。翼だけを想う。翼だけが好き。
・・・・・・翼」
「・・・彩奈」
「あたし、昔から翼が好きだよ。大好きだよ。愛してるの。
だからお願い、こんな最低女より、あたしを選んで・・・っ」
——もう、無理だよね?
だって翼くんは、小さい頃から彩奈ちゃんのことだけを想っていて。それに彩奈ちゃんも、こんなにも強く翼くんを想っている。
そんなふたりの関係に、最近出会ったわたしが叶うわけがない。わたしだって、翼くんの事が好き、大好きだけれど、確かにさっきわたしがやったことは、彼女としておかしい。
——引くしか、ないよね?
「あ、あの・・・わたし」
「ふざけんな」
「・・・え?」
わたしと彩奈ちゃんの声が揃う。
翼くんの声が、余りにも低くて迫力があったから。