コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 流 星 恋 愛 。 ( No.179 )
- 日時: 2012/12/09 18:18
- 名前: 笑苺 ◆Stella/Y/Y (ID: UDcUxrh6)
- 参照: 元 ゆ え で す 。
第六章【 真実 】
【 第六十九話 】
その後、翼くんに保健室での出来事を詳しく言いながら、ふたりで並んで帰った。真希くんに言われたこと、言ったこと。友香の、真希くんへの気持ちは流石に言えなかったけれども。
そして色々話していると、わたしの家に着いていた。
「じゃあ、わたし家此処だから——」
「あぁ。じゃあな」
「うん、あの、翼くん・・・・・・」
特になにも用はないのに、呼び止めてしまった。
翼くんは、「ん?」と振り返る。
——何だか、離れたくないな。
「あのっ・・・、また、あしたね!」
「・・・ははっ。
——またな、真優」
「! うんっ・・・・・・!」
翼くんの姿が見えなくなるまで見送ったあと・・・って、あれ?
翼くんの家、ここから近いんじゃなかったっけ?
なのにもう、翼くんの背中はとても小さい。
——明日、聞いてみよう。
家の中に入ろうとした時、
「真優ちゃん?」
「・・・あっ、おばさん!」
そこには、友香と真希くんの母親、泉 真友さん。
字は違うけれどわたしと同じ名前で、とても優しく面白く、小さい頃からわたしの事を自分の子供のように慕ってくれた。
そんなおばさんは、わたしの方をニヤニヤしながら見てくる。
「カッコいいわねえ、さっきの子。彼氏?」
「〜っ!おばさ、やめてくださいよおっ」
見られていたんだ。何か親しい人、それも大人の人に見られると、何か気恥ずかしい。
「・・・あぁそうだ。真優ちゃん、友香と真希知らない?」
「え?すいません、知らないです」
「そう・・・・・・」
そう言ったおばさんは、先程まで見せていた意地悪い笑顔を消し、暗い顔だった。
一体どうしたんだろう。何かあったのかな?
そう聞こうとした時、おばさんは言った。
「あのね真優ちゃん、お願いがあるの?」
「はい?何ですか?」
「——どんな友香と真希でも、仲良くしてくれる?」
「・・・え?」
いきなり何を言い出すんだろう。
そんなの、答えは決まってる。
「もちろんですよ!」
だってわたしは、ふたりの事が好きだもの。
「・・・ありがとう」
おばさんは、綺麗に笑った。
「じゃあ、おばさん大事な話しなきゃいけないから、帰るわね。
真優ちゃん、バイバイ」
「はい!さようなら!」
いつも通りに戻ったおばさんを笑顔で見送って、わたしも家の中に入る。
それより、いきなりどうしたんだろう。
大事な話って、何なのかな?
その時のわたしは、明日友香から告げられるものすごい真実を、想像してやいなかった。