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Re:   流  星  恋  愛  。   ( No.182 )
日時: 2012/12/11 18:53
名前: 笑苺 ◆Stella/Y/Y (ID: bpc70dxM)
参照:    元 ゆ え で す 。


【 第七十二話 】



いつもは騒がしい程話す友香が今日は何も喋らず、会話が無い登校になった。昨日と何も変わりない下駄箱を通るとき、後ろから声をかけられた。




「・・・広瀬さん」
「っ!?」




可愛らしいけど低い声にビックリして後ろを振り向くと、そこには目を赤く腫らせた彩奈ちゃんが、気まずそうに立っていた。
な、何の用なんだろう。もしやまた何か言われる?この体だし、弱い心だし、もう修羅場は懲り懲りだ。


けど、進むって決めたんだから。





「・・・ちょっと今、いい?」
「・・・・・・はい」




もう、逃げない。




-




連れてこられたのは、この前と同じ中庭だった。ここならもし殴られたりしてもいろんな人が見ているし。いくら彩奈ちゃんでも、こんなところでは殴ってこない・・・はず。


その時、ずっとわたしに背中を向けていた彩奈ちゃんが、勢いよく振り返って、わたしに頭を下げた。





「えっ、あの、彩奈ちゃ・・・」
「ごめんなさい!」





大声で言われ、驚く。
ごめんなさい、って?




「変な誤解して・・・翼に告げ口して・・・最低女って、言っちゃって・・・」
「・・・あ、あぁ・・・」




昨日のこと、か。
けど・・・・・・。




「なんで、謝るの?」
「・・・えっ?」
「彩奈ちゃんは翼くんの事が好きだから、あんな事したんでしょ?
 それに誤解を招いたのはわたしの中途半端な行動だもん。
 彩奈ちゃんが謝っても仕方ないよ」






そう、昨日ので痛いくらいわかったんだ。
彩奈ちゃんは本当に、翼くんの事が好きなんだって。





「——・・・ほんとだ」
「え?」
「広瀬さんは、最低女なんかじゃないですね」





彩奈ちゃんはニコリと綺麗に微笑んだ。





「だって、優しくて強い。
 あたし、広瀬さんと仲良くなりたい」
「彩奈ちゃん・・・・・・」





わたしの前に出された、彩奈ちゃんの手。
わたしはそれをぎゅっと握った。
彩奈ちゃんに握り返される。





「でも、いざと言う時は、翼奪っちゃいますからね?」
「だっ、だめ!」
「あはは、嘘ですよ」





彩奈ちゃんはふわふわと優しく笑う。釣られてわたしも笑い返す。
よかった。これで一件落着、かな。



次は——・・・。


友香と、真希くん。