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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 流 星 恋 愛 。 ( No.185 )
- 日時: 2012/12/13 18:08
- 名前: 笑苺 ◆Stella/Y/Y (ID: qMC/UGb2)
- 参照: 元 ゆ え で す 。
【 第七十四話 】
それから何事もなく、放課後になった。真希くんは部活だし、翼くんは帰宅部らしいけれど、今日は用事があるらしく、友香とふたりで帰ることにした。友香は運動神経いいのに、何故か帰宅部。わたしは不器用だし運動もすぐ体力が切れるので、やっぱり帰宅部。
靴を外靴に履き替えて外に出ると、冬独特の冷たい風に、つい身震いをして、首に巻いているマフラーを口元まであげて、少しでも、と顔を隠す。
「じゃあ真優、行こうか」
「うんっ」
友香が靴をちゃんと履いたのを見て、歩き出す。息を吐くたび目の前に白いもやが広がる。隠れていない顔半分が冷たい。手は手袋をしているからまだいいけれど。ここまで装備しないとどうせわたしは熱を出してしまうから、ね。
「——あのね、真優」
「んー?」
それまで他愛のない話をしてきた友香が、背後にあった学校が見えなくなると、急に真面目な声色でわたしの名前を呼んだ。
「あたし‥‥‥どうすればいいのかな?」
「え?何が?」
わたしがそう尋ねたとき、友香はひたと止まって、俯いていた顔をわたしに向けた。
その顔は、すごく寂しそうで。
それでいて、——答えは決まっているけれど、言えない。そんな表情をしていた。
——わたしは。
言われることを、何となく予想していた。
「あたし・・・・・・。
安達に、告白された」
安達くんとは、最近友香に話しかけていた男子。
——予想が、綺麗に当たった。
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