コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 流 星 恋 愛 。 ( No.188 )
- 日時: 2012/12/14 18:37
- 名前: 笑苺 ◆Stella/Y/Y (ID: jZi4txmM)
- 参照: 元 ゆ え で す 。
【 第七十六話 】
* 友香目線 *
気づけばあたしは、本当にいつの間にか、物心ついた時から。
——あたしの、自分の弟のことを見ていた。
見ていたなんて、そんなからかいとか可愛いものじゃなくて、本気で。
——愛しい、そんな感情を込めて。
小さい頃から、真希だけを見ていた。真希以外の男子なんて、あたしの眼中には入らなかった、それぐらい言っても過言ではない。本当に、本気で好きだった。
昔はまだこんなあたしでも純粋で、真希と結婚できる、そんなこと思っていた。手を繋ぐときだって、いつもあたしからで。朝起きたときとか、すぐ抱きついたり。真希だって、少し呆れながらも、ちゃんと抱き返してくれた。
——けど。
『友香ちゃんと真希くん、仲良すぎじゃない?おかしいよね』
それは、小学生の半ばぐらい、陰口で。
・・・・・・言われた。
仲が良すぎ、だと。
恨んだ。そんなことないって、思った。泣いた。
——けどそれは、真実で。
その日からあたしは、真希を避けた。
こりゃもう分かりやすいってぐらい、他人から見てもわかるぐらい。
そんなあたしに真希は、何も言わなかった。
寧ろ真希だって、あたしを避けてたかのように思える。
真希も、聞いちゃったんだ、どこかで。
真優とは、その時期に出会った。
真優は可愛くて優しくていかにも女の子っぽくて。
——真希が、真優を見てることに気づいた。
あたし、ずっと真希のことを見てたのに。
真希は違う子を見てしまう。
真優を。何度も嫌おうと思った。
・・・・・・けど、できなかった。
気づいたんだ。
悪いのは真優じゃない、真希でもない。
——弟を好きになった、穢れた自分、ってことに。
真希との距離は遠ざかって、代わりに真優とどんどん仲良くなって。親友になった。
そのまま中学校に行って、前よりは真希と仲良くなった。詳しく言えば、元に戻った。
けど、いつまでたっても想いは消えない。
いや、強くなっていた。
真希が真優を愛しい目で見るたびに。
あたしを見て。あたしを好きになって。
無理だとわかってても願って。真希のことばかり考えていて。
——あたし、いつまでたっても成長、してない。進んで、ない。
気づけば高校生、高二。高一は、パッとしない出来事ばかりで。
真優に、好きな人が出来た。
それを知った真希は、悲しんで、悲しんで。顔には出さないけれど・・・ずっと一緒にいた、あたしは分かった。
何度も励まそうとした。けど。
——あたしに、何ができる?
真優に彼氏が出来た。真希は、多分泣いた。
それぐらい、真優の事が好きだったんだね?
あたしが入り込む隙間なんて、これっぽっちも無かった、そうでしょ?
——けど、真希は変わった。
真優が、変えた。そして真優も、変わった。
——そして。双子じゃない、という真実。
血が繋がっていない、イコール・・・。
・・・あたしにも、のぞみはある?
「双子じゃ、ないんでしょ?そりゃあいきなり真実を伝えられちゃあ、頭こんがらがるかもだけど。
それでも友香は、頭の隅っこで、双子じゃないなら——なんて、思ったんじゃないのかな」
・・・思った。
「そうだよ、双子じゃないんでしょ?血が繋がってないんでしょ?それなのになんで、諦めるの?」
・・・ほんとは、諦めたく、ない。
ずっと。真希が好き。てか、嫌いになれない。なりたくない。
「・・・フッたよ、わたし」
「自分のために、友香のために、真希くんのために、フッた。
だってわたしは翼くんが好きなんだもの」
——真優の、強い眼差しに、圧倒された。
「——友香が今するべきことは、何?」
あたしの、するべきこと・・・。
「・・・自分の気持ちに、素直になる、でしょ?」
・・・うん、そうだね。
伝えていい?伝えていいのかな?
——・・・伝え、たい。
「・・・・・・頑張れ!」
——ありがとう、あたしの親友。