コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 流 星 恋 愛 。 ( No.200 )
日時: 2013/03/20 10:22
名前: 一華 ◆Stella/Y/Y (ID: zpiITAde)
参照:    元 笑 苺 で す 。



すっごい久々。
名前ちぇんじしましたー!


-



【 第八十話 】



真希くんがわたしのことを好きって聞いたとき、嬉しさと、悲しさと、そして僅かな違和感。そして今この光景を見て、違和感の正体がはっきりと分かった。
真希くんは、友香との距離が近すぎただけ。だから、自分自身の想いに気づかなかったんだと思う。
真希くんにとって、一番大事な人。
第三者のわたしが言い切れるものではないけれど、今、真希くんが友香に駆け寄るこの光景、真希くんの焦りよう。


そう、真希くんの好きな人は、きっと。



「行かなくてもいいみたいねー」
「え?あー・・・」



さっきまで慌てていた笹川先生が、わたしの隣で手を組んで立っていた。行かなくてもいい、その理由は。真希くんが友香を抱いて、こちらに・・・、保健室に来ているから。
人ごみから、友香を抱いてこちらに向かってくる真希くんのその姿は、まるでひとつの映画のシーンのようで。
真希くん、気づいてる?
宝物のように、大事そうに友香を抱いてるって、自覚してる?




「・・・先生」
「いえーすいえーす落ち着いて。ちゃんと見てたわ。ほら、此処に寝かせて。ゆっくりね」
「はい」



そっと優しく友香をベッドに寝かせた真希くんは、ほっと息を吐いて、わたしの方を見、驚いたかのような表情をした。なんだろ?



「ま、真優・・・、いつからいたの?」
「ええっ!気づかなかったの?」
「・・・うん、ごめん」



ずっと此処にいたのに、気づかなかったんだ。
そんなに友香の事を第一に考える、それはもう・・・・・・、



「大事に思ってんのね、この子のこと」
「・・・え?」



わたしが思ったことを、笹川先生が変わりに口に出す。




「広瀬さんの事にも気づかない、そしてだいーじに抱き上げて、やさしーく寝かす。カレカノみたいね?」
「ちょっ、先生、何言って・・・」
「わ、わたしもそう見えた」
「真優まで・・・!」



真希くんは顔を真っ赤にして、慌てて手を顔の前で振る。こんな真希くん、生まれて初めて見たと言っても過言ではない。

双子じゃないという事を伝えられてなかったら真希くんはきっと、そんなことないとさらりと交わしてたのかな。わたしがはっきりと想いを言ってなかったら、真希くんは友香のところに向かってなかったのかな。


そう考えたら、あの時のわたしの行動は、きっと間違ってなかったんだと思う。



幸せになって欲しい、ふたりが大好きだから。
ふたりの幸せが、わたしの幸せだから。


わたしは真希くんの肩をぽんっと叩き、ぐっと親指を立てる。
真希くんはほんのり赤い顔のままキョトンとしたあと、意味が分かったかのように肩を震わせ、またもや顔を真っ赤に染め上げた。



「頑張れ、真希くん。わたし、真希くんのこと分かってるからね!」
「・・・うっさい、真優のくせに」
「ひどいよ真希くん!」



笹川先生も、友香の応急処置を終え、話に入ってきた。
友香も、気のせいかもしれないけれど——・・・、笑ってるようにみえた。
きっと、いい夢を見てるんだね?その夢には、真希くんが出てるんでしょ?



笑顔になれるようなその夢が、現実になりますように。







 第六章 E N D